走行に向けてガレージで準備をする角田裕毅、2025年8月29日(金) F1オランダGPフリー走行1(ザントフォールト・サーキット)

角田裕毅が抱いた「奇妙な感覚」示した片鱗、直面した壁―期待と不安が交錯のF1オランダGP初日

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2025年F1第15戦オランダGPの初日プラクティスを7番手で締め括った角田裕毅(レッドブル・レーシング)は、ショートランに関しては一定の満足感を示しつつも、ロングランに関しては「少し差が大きすぎる」と語り、改善の必要性を認めた。

サマーブレイク明けの初戦となったオランダGP初日、角田はFP1で苦戦を強いられながらも、午後のFP2では立て直しに成功し、フェラーリ勢に割って入る7番手をマーク。チームメイトの母国で存在感を見せた。

レッドブルRB21をドライブする角田裕毅、2025年8月29日(金) F1オランダGPフリー走行1(ザントフォールト・サーキット)Courtesy Of Red Bull Content Pool

レッドブルRB21をドライブする角田裕毅、2025年8月29日(金) F1オランダGPフリー走行1(ザントフォールト・サーキット)

FP1:アンダーに見舞われ2度のコースオフ

レッドブルは2台でタイヤ戦略を分けた。角田は全20台中、唯一ハードコンパウンドを装着してセッションを開始し、その後はソフトタイヤに履き替えてロングランに多くの時間を費やした。

だが、ミッドコーナーでアンダーステアに苦しみ、2度のコースオフを喫するなど安定感を欠いた。最終的には僚友マックス・フェルスタッペンから0.908秒遅れの16番手にとどまり、厳しい出だしとなった。

「FP1の入り自体は悪くなかったと思います。ただ、パフォーマンスを引き出そうと限界を攻める中で課題も出てきました」と角田は振り返った。今季ここまで繰り返し直面してきた課題を抱えた格好だが、一方では、次のセッションに繋がる有益なデータを確保した。

FP2:巻き返しの7番手、セクター1でフェルスタッペン超え

午後のFP2では、FP1で得たデータを基にしたセッティング変更が功を奏し、角田はフェラーリのルイス・ハミルトンとシャルル・ルクレールの間に割って入る7番手を記録した。

注目すべきはセクターごとのタイムだ。第1セクターではフェルスタッペンを0.116秒上回り、エースを凌ぐ速さを見せた。だが第2セクターでは逆に0.252秒もの遅れを取り、最終的にはトータルで0.317秒差をつけられた。

これは決して小さな差ではないが、それでも角田の言葉からは確かな手応えがうかがえる。

「夏休み明けにもかかわらず、1日を通してスムーズに自信を積み上げることができました。もちろん理想的な一日ではなかったですが、少なくともマシンの制約を理解することはできました。あとは、それらをしっかりまとめることが課題です」

「微調整は必要ですが、ショートランについてはうまくいったと思います」

一方、母国グランプリでの4勝目を狙うフェルスタッペンは5番手にとどまった。

ガレージでチームメンバーと話をする角田裕毅(レッドブル・レーシング)、2025年8月29日(金) F1オランダGPフリー走行1(ザントフォールト・サーキット)Courtesy Of Red Bull Content Pool

ガレージでチームメンバーと話をする角田裕毅(レッドブル・レーシング)、2025年8月29日(金) F1オランダGPフリー走行1(ザントフォールト・サーキット)

明日への課題:ロングランペースの改善

7番手という好位置につけた角田だが、2日目以降に向けた課題も浮き彫りになった。最大の懸念材料はロングランでの競争力だ。角田は今季一貫してRB21でのロングランに手を焼いている。

「正直、今日のロングランはちょっと差が大きすぎました。少し奇妙な感覚でしたが、グリップがまったく感じられず、周を重ねるごとにどんどん遅くなっていく印象でした」

FP1では比較的良好だったロングランペースが、FP2に向けたセットアップ変更によって悪化した形となった。ただし、角田とチームは改善に向けた方向性をすでに見出している。

「FP1からFP2にかけて試したことの中で、ある部分が極端に出たことで、今の自分たちがどこを改善すべきかがはっきり見えました」

「明日に向けては、その中間的なセッティングを探す必要があると思っています」

角田裕毅が駆るレッドブルRB21、2025年8月29日(金) F1オランダGPフリー走行1(ザントフォールト・サーキット)Courtesy Of Red Bull Content Pool

角田裕毅が駆るレッドブルRB21、2025年8月29日(金) F1オランダGPフリー走行1(ザントフォールト・サーキット)

土曜日への展望:不確定要素との戦い

「このサーキットは本当にユニークで、走っていて楽しかったです。ただ、風が強くてかなりノイズがありました」と角田が語るように、オランダの海岸線に位置するザントフォールトは特殊な環境を持つ。

強風はマシンのバランスに大きな影響を与え、ドライバーにとって予測不能な要素となる。さらに今週末は天候も不安定で、予選はドライコンディションが期待される一方、最終プラクティスは雨となる可能性が高い。

テクニカル・ディレクターのピエール・ワシェは「風が強く、週末を通して雨のリスクもあり、今週末は厄介だ。リスクが高いのは主にFP3で、予選と決勝はリスクが低めと見ている」と状況を分析している。

レッドブルはパルクフェルメに向けて、ドライコンディションを想定したセットアップに決め打ちする方針だ。ただしFP3が雨に見舞われた場合、実走での確認ができないまま最終決定を下さなければならず、ドライバー達は不安を抱えた状況で予選および決勝に臨むことになる。

フリー走行1に向けてパドック入りする角田裕毅(レッドブル)、2025年8月29日(金) F1オランダGP(ザントフォールト・サーキット)Courtesy Of Red Bull Content Pool

フリー走行1に向けてパドック入りする角田裕毅(レッドブル)、2025年8月29日(金) F1オランダGP(ザントフォールト・サーキット)


2025年F1オランダGPの初日FP2をトップで締め括ったのはランド・ノリス(マクラーレン)。2番手にはフェルナンド・アロンソ(アストンマーチン)がわずか0.087秒差で続いた。

FP3は日本時間8月30日(土)18時30分から、公式予選は同22時から1時間に渡ってザントフォールト・サーキットで開催される。セッションの模様はDAZNフジテレビNEXTで生配信・生中継される。

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