
レッドブルとマルコは「仕様差」を軽視していた? 角田裕毅、チーム内評価に変化も”去就デッドライン”
レッドブル・レーシングの角田裕毅は、サマーブレイク前まで続いたパフォーマンス不振の原因が、チームメイトとは異なるマシンスペックにあったということに、チームがようやく理解したとの見解を示した。
角田は5月のエミリア・ロマーニャGP以来、7戦連続でノーポイントに終わっている。その背景には、アップグレード導入の遅れがあったとみられる。同グランプリでの予選クラッシュ以降、角田のマシンはマックス・フェルスタッペンのものより仕様が古く、性能差を抱えたままレースを戦うことを強いられてきた。
だが、ベルギーGPで新型フロアが投入されると、少なくともシングルラップの速さは明らかに改善。続くハンガリーGPではフリー走行の段階からフェルスタッペンとの差がほとんどなくなり、角田自身もアップグレードの効果を実感している。
Courtesy Of Red Bull Content Pool
ザントフォールト・サーキットのパドックに立つ角田裕毅(レッドブル)、2025年8月28日(木) F1オランダGPメディアデー
チームは「仕様差」を軽視していた、と角田
成績不振により角田の2026年シートは危ぶまれている。前半戦の段階からアイザック・ハジャーの昇格説が流れ、さらにサマーブレイク中にはアレックス・パロウのレッドブルF1転向説まで浮上した。
だが、直近2戦での改善が状況を変えつつある。英専門誌『Autosport』によると、第15戦オランダGPを前に角田は次のように語り、レッドブルのモータースポーツ・アドバイザー、ヘルムート・マルコはスペック差の影響を過小評価していたとの考えを示した。
「もっと結果を示さなければならないのは確かです。ただ、夏休み前の2戦での走りが助けになりました。チーム、特にヘルムートは、僕とマックスのパッケージの違いをあまり認識していなかったと思います。でも実際には、アップグレードが入った途端にペースが急激に改善しました」
「ハンガリーではフリー走行からマックスにかなり接近でき、僕自身にポテンシャルがあることを示せたと思います」
また、「来季に向けた契約を決めるにあたって、どのくらいの期間で結果を出す必要があるかという点でチームと合意しました」と明かし、レッドブルがデッドラインを設けたことを示唆した。
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フリー走行前にガレージで言葉を交わすヘルムート・マルコ(レッドブル顧問)とマックス・フェルスタッペン(レッドブル)、2025年6月27日(金) F1オーストリアGPフリー走行(レッドブル・リンク)
ブルズ復帰は?揺れる去就、チーム内評価に変化
仮にハジャーが昇格してレッドブルのシートを失った場合でも、角田が再びレーシング・ブルズへ戻る可能性は低い。リアム・ローソンは調子を取り戻して始めており、さらにレッドブルはアーヴィッド・リンブラッドを昇格させる構想を描いているからだ。
角田は、セカンドチーム復帰の選択肢があるかどうかは分からないとしつつ、目標は「当然レッドブルに残ること」とした上で、ベルギーGP以降の改善によりチーム内での評価は上昇していると強調した。
「もしかしたらヘルムートは(僕をレーシング・ブルズに戻すことを)頭の片隅で考えているかもしれませんが、正直何を考えているかは分かりません」
「ただ、今も引き続き僕のパフォーマンス向上を期待してくれていると思っていますし、実際、アップグレードを入れてからの2戦で『大きく変わった』と認識してもらえたと思います。そのおかげでもう少し時間を与えられたのだと思っています」
「レッドブルにとって何が最善かを彼が判断するまでには、まだ少し時間があると理解しています」
キャリア正念場の後半戦へ
レギュレーション大変革を控え、ラインナップの継続性が価値を持つとの理由から、角田の来季レッドブル残留を予想する識者も出始めている。だが、最大でも今季の残り10戦の中で角田が自身の真価を証明しなければならないという事実に変わりはない。
角田は「ヘルムートは僕を大いに支えてくれていますが、同時に率直な人でもあって、チームのためにできるだけ多くのポイントを求められていますので、何としても結果を出さなければなりません」と語り、自らの手で2026年のシートを掴むためには、シーズン後半戦で一貫して入賞することが「決定的に重要」であると強調した。
限られた猶予の中で自らの価値を示し、レッドブルのシートを守り抜けるのか。2025年のシーズン後半戦が、角田にとってキャリアの分岐点となることは間違いない。
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にファンと交流する角田裕毅(レッドブル)、2025年8月28日(木) F1オランダGPメディアデー(ザントフォールト・サーキット)