
インディカー公式ゲーム、2026年発売へ―iRacing Studiosと提携し20年ぶり復活
インディカー・シリーズは2025年8月26日、iRacing Studiosと長期のライセンス契約を締結し、2026年後半に家庭用ゲーム機とPC向けのインディカー公式タイトルを発売すると発表した。対応プラットフォームはPlayStation、Xbox、Steamで、公式ゲームとしては2004年以来、20年以上ぶりの復活となる。
キャリアモードや実在ドライバーを搭載
新作タイトルには、マルチレベルのキャリアモード、シリーズおよびインディNXTの実在ドライバー、さらにオンラインマルチプレイが含まれる予定だ。
開発は、iRacing Studios独自のOrontesエンジンを基盤とし、専任の開発チームが「ゼロから」取り組む。また、iRacing愛好家として知られるチーム・ペンスキー所属のスコット・マクラフリンをはじめ、インディカーのドライバーやチームも新作タイトルの開発に参画する。
iRacingのトニー・ガードナー社長は「2026年にファンが待ち望んでいたタイトルを提供できることを楽しみにしている。あらゆる年齢層のファンが楽しめる没入的な体験になる」とコメントした。
前回のプロジェクトは頓挫
インディカーの公式ゲームは、2004年にCodemastersが発売した『IndyCar Series 2005』以来途絶えていた。2020年代にはMotorsport Gamesと開発契約を結び、当初は2023年の発売を予定していたが、資金難により同社スタッフの40%が解雇され、プロジェクトは頓挫。最終的に契約は解除された。
インディカーは当時、iRacingと提携していたが、Motorsport Gamesとの独占契約に伴い、一時的にiRacingから姿を消していた。だが、2024年初頭に再提携し、世界的人気を誇るシムレーシングプラットフォームに復活した。
eスポーツ戦略の転機に
インディカーのダグ・ボールズ社長は「世界で最も競争的で挑戦的なレースに相応しいゲーム体験が必要だ。iRacing Studiosは理想的なパートナーだ」と語り、今回の契約の意義を強調した。
iRacingは既に『World of Outlaws: Dirt Racing』で成功を収めており、今夏には『NASCAR 25』の発売を予定するなど、家庭用ゲーム機においても豊富な実績を持つ。今回の長期ライセンス契約によって、インディカーはPCとコンソール双方で安定したゲーム展開を確保することになる。
インディカーとiRacingは、「今後も長年にわたりPCおよびコンソールでインディカーのゲーム展開が継続的に保証される」としている。