角田裕毅「あってはならない」敗因の一つはFP3での”失態”―Q1敗退もフェルスタッペンに迫る走り

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2025年F1第14戦ハンガリーGP公式予選は、角田裕毅(レッドブル)にとって今季4度目のQ1敗退という厳しい結果に終わった。ただ一方で、マックス・フェルスタッペンにわずか0.163秒差まで迫るパフォーマンスは、復調への確かな兆しを感じさせた。

「壁のないモナコ」とも形容されるテクニカルなハンガロリンクは、レッドブルにとって伝統的に相性の悪いサーキット。今週末もその例に漏れず、チーム全体が苦戦を強いられた。4度のF1ワールドチャンピオンであるフェルスタッペンですら、予選8番手という今季最悪の結果に沈んでおり、チームの競争力不足が如実に表れた。

最終フリー走行中にピットレーンを走行する角田裕毅のレッドブルRB21、2025年8月2日(土) F1ハンガリーGP FP3(ハンガロリンク)Courtesy Of Red Bull Content Pool

最終フリー走行中にピットレーンを走行する角田裕毅のレッドブルRB21、2025年8月2日(土) F1ハンガリーGP FP3(ハンガロリンク)

わずか0.024秒差の明暗

角田にとって悔やまれるのは、Q2進出まであと0.024秒という僅差であったことだ。Q1の最初のアタックではフェルスタッペンに0.188秒差まで迫り、2回目のアタック後には一時的にQ2進出圏内につけていた。

だが、路面状況の改善を背景に、終盤に向けて激しいタイムアップ合戦が繰り広げられる中、リアム・ローソン(レーシング・ブルズ)に最後の最後で蹴落とされる形となった。

「今週末は全体的にチームとして厳しい状況が続いています。もちろん、そういう状況であっても、できる限りパフォーマンスを引き出そうとしましたが……とにかく遅かったですね」と、角田は悔しさをにじませた。

一方で、フェルスタッペンに肉薄するパフォーマンスを見せた点については、「自分にとっては前向きな材料です」と語り、「ミスはなかったですし、予選での自分の走りには納得しています」と胸を張った。

響いたFP3での準備ミス

クルマの競争力不足に加え、敗因として角田は、フリー走行3回目(FP3)での準備不足を挙げた。このセッションでは誤ったセッティングが施されたようで、無線を通じて「しっかりしてくれ!」と怒りをあらわにする一幕も見られた。

この混乱の影響と見られるが、ソフトタイヤでの予選シミュレーションを完了できないままにセッションを終えることとなり、そのまま本番の予選を迎えた。結果として、クルマを最適化する機会を失った。

「FP3での準備が全然うまくいかなかったことも響きました。あれは完全に自分たちでコントロールできることでした。僕ら自身が招いた完全な失敗でした」と角田は厳しく戒める。

「特にこのような僅差の争いの中では、そういった部分が重要なので、ああいうのはあってはならないことでした」

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根本的なグリップ不足

予選でのクルマの感触について、角田は「とにかく、至る所で滑る状況でした。通常であれば感じられるはずのグリップが全くなかったので、たぶん何か根本的に欠けている部分があるのだと思います」と述べ、問題点を指摘した。

「週末を通してその原因を見つけ出そうとしましたが、残念ながら見つけることができませんでした」

ハンガロリンクは追い抜きが困難なサーキットであり、16番手からのスタートとなる決勝は厳しい展開が予想される。

ただ、日曜は不安定な天候が予想されており、レース中に“恵みの雨”が降れば、状況が一変する可能性も十分にある。角田の意地の走り、そしてミスのないチームオペレーションに、期待がかかる。

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2025年F1ハンガリーGP予選では、シャルル・ルクレール(フェラーリ)が衝撃的な今季初ポールポジションを獲得。週末を通して他を圧倒していたマクラーレン勢は、オスカー・ピアストリが2番手、ランド・ノリスが3番手に甘んじた。

決勝レースは日本時間8月3日(日)22時にフォーメーションラップが開始され、1周4,381mのハンガロリンクを70周する事でチャンピオンシップを争う。レースの模様はDAZNフジテレビNEXTで生配信・生中継される。

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