苦肉のダウングレード、初日を終えてメルセデスはどう評価した? ハンガリーで新型リアサスを旧仕様にロールバック

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2025年F1第14戦ハンガリーGPにおいて、メルセデスはここ数戦のパフォーマンス低迷を打破すべく、リアサスペンションを旧仕様に戻すという苦渋の決断を下した。エミリア・ロマーニャGPで初投入された新仕様は、高速コーナー進入時の不安定さを招き、クルマに対するドライバーたちの自信を損なう状況が続いていた。

ハンガロリンクで行われた初日フリー走行では、ジョージ・ラッセルが7番手、アンドレア・キミ・アントネッリが10番手に入り、2台揃ってトップ10圏内を確保。ラップタイムこそ目覚ましいものではなかったが、内容面では明らかな前進があった。

初日の内容について、エンジニアリング・ディレクターを務めるアンドリュー・ショブリンは、「1ラップペースにしてもロングランにしても、バランス調整という観点では多くの課題が残されている」としつつも、「最近の課題の幾つかは改善されたようだ」と説明した。

リアサスペンションの仕様変更については「決して“銀の弾丸”ではないと承知の上だったが、ドライバーたちに自信を与える効果はあったようだ」と述べた。

FP1では両車ともにセットアップの選択を誤ったが、午後のFP2では2台で異なるセットアップを採用。2日目に向けては、アントネッリ側のセッティングをベースに更なる調整が加えられる見通しだ。

アントネッリは「今日の走行にはかなり満足している」と振り返り、「ここ最近と比べてクルマに自信が持てるようになったし、ラップタイムをより引き出せるようになった。上位勢と比べるとまだ少しペースが足りないけど、これをベースに前進していけると思う」と付け加えた。

なお、アントネッリのベストラップはトラフィックの影響で最終セクターにおいてコンマ3秒を失った可能性があり、これがなければフェラーリ勢と肩を並べていたとの見方もある。

一方のラッセルも、「ブレークスルーは期待していなかったけど、クルマはドライブしやすくなったし、自信も持てるようになった」と語り、改善に手応えを得た様子を見せた。ただし、依然としてライバルとの差は大きいと指摘する。

「マクラーレンが速いのは予想通りだったけど、タイムシートには幾つか驚きがあった。アストンはシングルラップで速さがあったし、他の何台かもロングランで競争力があるように見えた」


2025年F1ハンガリーGPの初日FP2をトップで締め括ったのはランド・ノリス(マクラーレン)。チームメイトのオスカー・ピアストリを0.291秒差で退けた。3番手にはシャルル・ルクレール(フェラーリ)が続く結果となった。

FP3は日本時間8月2日(土)19時30分から、公式予選は同23時から1時間に渡ってハンガロリンクで開催される。セッションの模様はDAZNフジテレビNEXTで生配信・生中継される。

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