
ホーナーを切っても「保証なし」フェルスタッペン去就と電撃解任の関連性、関係筋が警鐘
本人も知らされていないとされる解任理由を含めて、クリスチャン・ホーナーのレッドブル退団という衝撃的なニュースが投げかけている疑問は多いが、特に注目すべきは本人事とマックス・フェルスタッペンの去就の関連性だろう。
解任発表直前、イギリスGPの週末には、メルセデス移籍の可能性が取り沙汰されるフェルスタッペン陣営が、オーストリアのレッドブルGmbHに対し、来季以降の残留条件としてホーナーの権限縮小、ないしは更迭を求めているとの憶測が流れていた。
仮にこの憶測が事実であれば、ホーナーの解任はフェルスタッペンの残留の可能性を高める一手と見ることもできる。だが、この憶測は「ナンセンス」であり、事態はそう単純ではないと警鐘を鳴らすのが、フェルスタッペンに近しいオランダ人F1ジャーナリストのエリック・ファン・ハーレンだ。
ファン・ハーレンは、ホーナーの退任によりフェルスタッペンが残留するとの説について「それほど単純な話ではないと思う」とした上で、フェルスタッペン一家の真の関心事について次のように分析する。
「フェルスタッペン一家にとって最も重要なのは、チームがマシンの改善を進められるかどうかという点だ。現在のマシンには多くの問題がある」
「彼らはより高いパフォーマンスを求めており、それを見極めた上で判断を下すことになると思う」
また、ホーナーの解任については、「フェルスタッペンに対し、『残留すべきタイミングだ』と示す狙いがあるのかもしれない」としつつも、「チーム内に平穏をもたらすための措置だと考えている」と述べた。
「確かにこの決断によって、レッドブルがフェルスタッペンをチームに引き留められる可能性は高まったかもしれないが、現時点で保証されたわけではない」
「彼は今月中に決断を下すと私は見ている。サマーブレイクまではあと2週間あるため、彼にはじっくり考える時間があり、マシンのパフォーマンスを見極める機会もある」
ホーナーの解任は、確かにフェルスタッペン残留への道筋を示した可能性がある。だが、5度目のドライバーズタイトル獲得を狙うフェルスタッペンの最終的な判断は、結局のところマシンの競争力次第だというファン・ハーレンの指摘は、状況の本質を突いていると言える。
そもそもホーナーがレッドブルを去ったからといって、2026年シーズンの復調が保証されるわけではなく、実際にはその逆となる可能性も否定できない。例えば、ホーナーと対立していたフェルスタッペンの父ヨスには”平穏”が訪れるかもしれないが、短期的に見てチーム内部が混乱に見舞われることは避けられない。