
レッドブル、F1カナダGP勝者のラッセルに”2件”の異議申し立て―FIAがフェルスタッペン含む両名を召喚
現地時間6月15日に行われた2025年F1第10戦カナダGPの決勝レースを終えて、レッドブル・レーシングが、優勝したジョージ・ラッセル(メルセデス)に対し、国際自動車連盟(FIA)へ正式な異議を申し立てた。
FIAスチュワードはこの申し立てを受け、現地時間17時50分に関係者を召喚した。対象には2位でフィニッシュしたマックス・フェルスタッペン(レッドブル)と、レースを制したラッセルの両名が含まれている。
焦点はSC中の急減速と車間距離
申し立ての詳細は現時点では明かされていないが、レッドブルのチーム代表クリスチャン・ホーナーによると、レース終盤に導入されたセーフティカー(SC)中のラッセルの走行に関して、2件の異議を申し立てたという。
「まず1件目は、SC下での不規則なドライビングに関するものだ。ジョージは明らかにマックスをミラー越しに確認しながら、急ブレーキをかけた」とホーナーは説明する。
「2件目は、セーフティカーとの距離についてだ。彼は明らかに規定で許される距離を大きく逸脱していた。少なくとも3倍は離れていたと思う」
競技規則では、SC導入中において「不必要に低速、あるいは不規則かつ他のドライバーに対して危険と見なされるような走行をしてはならない」と明記されている。さらに、SC先導下では前走車との車間を「10車身以上空けてはならない」とも定められている。
フェルスタッペンとラッセル、無線で応酬
実際フェルスタッペンは、SC先導下でラップをリードするラッセルが「急に激しくブレーキを踏んできたんだけど」と無線で報告しており、レースエンジニアのジャンピエロ・ランビアーゼは「了解。不規則なドライビングに該当するかどうか確認する」と応じていた。
その際、前触れのない減速に反応したフェルスタッペンは、タイヤスモークを上げて急制動。ノーズがわずかにラッセルのマシンの前に出る場面が見られた。これを受けてラッセルも無線で「SC中にフェルスタッペンに抜かれたんだけど」とチームに報告を上げている。
審議多発、注目高まるスチュワード判断
今大会ではすでに、マクラーレンのランド・ノリスとオスカー・ピアストリを含む5名のドライバーが召喚されており、今回の件を加え、スチュワードによる判断への注目はますます高まっている。