ガレージ内でモニターを見つめるフランコ・コラピント(アルピーヌ)、2025年
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F1エミリア・ロマーニャ:コラピントに降格ペナ―予選でピット規定違反、メルセデスの”二の舞い”に

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2025年F1第7戦エミリア・ロマーニャGPの予選Q1において、FIA国際競技規則(ISC)およびレースディレクターの指示に反したとして、フランコ・コラピント(アルピーヌ)に1グリッド降格ペナルティが科された。

アルゼンチン出身の21歳、コラピントは、今大会からジャック・ドゥーハンに代わってレースシートに昇格。アルピーヌでの初戦に臨んでいるが、ここまで厳しい展開が続いており、予選15番手ながらも、16番グリッドに着くこととなった。

コラピントは予選Q1の最終盤、タンブレロ・シケインの出口でクルマのコントロールを失いバリアに激突した。ただ、問題視されているのはこのクラッシュではない。コラピントは、この事故の直前に角田裕毅(レッドブル)がクラッシュした際に振られた赤旗中断中、FIAから再スタート時刻が正式発表される前にファストレーンへ進入していた。

この行為はISC第12条2項1号i およびレースディレクターのイベントノート第17条に違反する疑いがあるとして、ヴィタントニオ・リウッツィを含む4名の競技審判団はコラピントを召喚。現地時間17時45分より聴聞会を実施した。

チーム側は「クルマを完全にはリリースせず、ゆっくりと前に出すように指示したが、ドライバーがその意図を誤解し、フルリリースと解釈してファストレーンに入ってしまった」と釈明した。

これに対しスチュワードは、「今回の違反は意図的ではなく、かつ競技上のアドバンテージを得たものではない」と認めつつも、「ルールを破ったことは事実であり、ペナルティは必要」と判断。1グリッド降格を決定した。

さらに「今後同様の違反が発生した場合、状況次第ではより重い罰則が科される可能性がある」とも警告した。

同様の違反は今年4月のバーレーンGPでも発生しており、メルセデスのジョージ・ラッセルとアンドレア・キミ・アントネッリに対して、それぞれ1グリッド降格ペナルティが科されている

なお、最終プラクティスでコラピントは、ピットレーンの制限速度を5.1km/h超過。競技規則違反を犯し、チームに600ユーロ(約9万7,500円)の罰金が科されている。

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