
マドリンクの公式オンボード映像が初公開―2026年よりF1スペインGPを開催
2026年からF1スペインGPの新たな舞台となる「マドリンク(Madring)」の公式シミュレーション映像が初公開された。マドリード北東部のイフェマ(IFEMA)イベント会場周辺に建設されるこの新サーキットは、F1の未来を象徴する都市型ハイブリッドコースとして期待されている。
専用施設と公道の融合設計
マドリンクの全長は5.47kmに及び、最新の設計では24コーナーが設けられる見通しだ。約4.1kmがIFEMA敷地内に設けられる専用コースで構成され、残りの1.3kmは公道を使用する。設計はイタリアの専門企業ドローモが担当し、FIAグレード1認証取得を予定している。
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Madring(マドリンク)(F1スペインGP)のコースレイアウト草案、2023年
建設工事は2025年4月に着工されており、2026年5月の完成を予定。マドリンクは、2035年までの10年間にわたりスペインGPの開催地として契約が締結されている。
- 全長:5.4km
- コーナー数:24
- 周回方向:時計回り
- 最高速:300km/h超
- オーバーテイクポイント:4箇所
- 収容人数:11万人
- 予選ラップタイム:1分32秒4
- 平均速度:218km/h
特徴的なコーナー:ラ・モヌメンタルのバンク
マドリードの新F1市街地コースにおける注目のセクションが、ターン12(旧ターン10)に位置する高速右コーナー「ラ・モヌメンタル(La Monumental)」だ。闘牛場のような半円形のフォルム、とその難解さが由来とされる。
当初はレアル・マドリードのトレーニング施設などが所在する周辺再開発地域の名称を取って「バルデベバス(Valdebebas)」と呼ばれていた。
ザントフォールト・サーキットのルイエンダイク・コーナーを彷彿とさせるこのコーナーは、全長約500メートル、13.5°のバンク角を持つ。コース幅は12mで、コーナー通過時間は約6秒間と見積もられている。
Courtesy Of Red Bull Content Pool
ザントフォールト・サーキットを周回するマックス・フェルスタッペン(レッドブル)、2022年9月2日F1オランダGP FP2
戦略に影響を与えるピットレーン設計
マドリンクのピットレーンは、ジル・ビルヌーブ・サーキットやジェッダ市街地コースと類似した構成で、ターン1と2のシケインを通過した後に本コースへ再合流する設計となっている。そのため、ピットストップによるロスタイムは限定的であり、マルチストップ戦略を促す可能性がある。