ピットレーンに並ぶフェルナンド・アロンソのアストンマーチンAMR25とガブリエル・ボルトレートのザウバーC45、2025年3月15日(土) F1オーストラリアGP予選(アルバート・パーク・サーキット)
Courtesy Of Sauber Motorsport AG

F1オーストラリアGP決勝: タイヤ戦略考と天気、グリッド―波乱含みの空模様と注目ポイント

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日本時間3月16日(日)13時にスタートを迎える2025年F1シーズンの幕開けを告げるオーストラリアGPのスターティング・グリッドが発表された。予選結果からの変動、予想されるタイヤ戦略と気象条件について見ていこう。

スターティンググリッド

今週末は珍しいことに、スチュワードによる審議が一度も行われておらず、グリッド降格ペナルティを受けたドライバーはいない。よって、現時点では予選結果とグリッドに変動は生じていない。

オリバー・ベアマン(ハース)はギアボックス周りの問題に見舞われ、予選でタイムを記録できず、決勝参加資格を得ることができなかった。

ただ、チームからの要請を受け、エンリケ・ベルノルディを含む5名の競技審判団は決勝への出走を許可。チームメイトのエステバン・オコンと並ぶ最後列20番グリッドに着く事となった。

以下は暫定スターティンググリッド。正式版との差異が発生した場合は更新される。

Pos No Driver Team Qualifying
1 4 L.ノリス マクラーレン・メルセデス 1(-)
2 81 O.ピアストリ マクラーレン・メルセデス 2(-)
3 1 M.フェルスタッペン レッドブル・ホンダRBPT 3(-)
4 63 G.ラッセル メルセデス 4(-)
5 22 角田裕毅 レーシングブルズ・ホンダRBPT 5(-)
6 23 A.アルボン ウィリアムズ・メルセデス 6(-)
7 16 C.ルクレール フェラーリ 7(-)
8 44 L.ハミルトン フェラーリ 8(-)
9 10 P.ガスリー アルピーヌ・ルノー 9(-)
10 55 C.サインツ ウィリアムズ・メルセデス 10(-)
11 6 I.ハジャー レーシングブルズ・ホンダRBPT 11(-)
12 14 F.アロンソ アストンマーチン・メルセデス 12(-)
13 18 L.ストロール アストンマーチン・メルセデス 13(-)
14 7 J.ドゥーハン アルピーヌ・ルノー 14(-)
15 5 G.ボルトレート ザウバー・フェラーリ 15(-)
16 12 A.K.アントネッリ メルセデス 16(-)
17 27 N.ヒュルケンベルグ ザウバー・フェラーリ 17(-)
18 30 L.ローソン レッドブル・ホンダRBPT 18(-)
19 31 E.オコン ハース・フェラーリ 19(-)
20 87 O.ベアマン ハース・フェラーリ RT

レースの模様はDAZNフジテレビNEXTで完全生配信・生中継される。

想定される最速タイヤ戦略

昨年は従来よりも1段階柔らかいレンジのコンパウンドが持ち込まれ、2ストップ戦略が主流となったが、ピレリは今年、構造とコンパウンドの両方に変更を加えた。

その結果、週末のプラクティスを通して耐グレイニング性能が大幅に向上していることが確認され、ドライレースの場合は1ストップ戦略が最速のストラテジーになると考えられている。

ピレリのモータースポーツ部門を率いるマリオ・イゾラは「過去2日間で確認されたように、今シーズンのグレイニング・レベルは例年に比べてかなり低い。そのため、ミディアムとハードの組み合わせによる1ストップが理論上の最速の戦略になるだろう」と説明した。

ミディアムからハードへの履き替えは、概ね20〜26周程度になると見られる。

気になる天気、雨の場合の展望

ドライレースの場合のシナリオを紹介したが、日曜の現地メルボルンは朝から断続的に雨が降る予報で、レースの開始を迎える現地15時の降水確率は80%を超えている。気温も予選時より15℃近く低下する見通しだ。

チェッカーフラッグが振られる予定の16時から17時の降水確率はやや低下するものの、それでも50%と予想されており、ミディアム&ハードの1ストップ戦略が採用される可能性は極めて低い。

アルバート・パーク・サーキットでウェットレースが行われたのは2010年まで遡る。タイヤもコースも当時とは大きく異なり、どのようなレース展開になるかを予測するのは難しい。

ただし、ひとつ言えることは、雨にめっぽう強いドライバーがいるということだ。過去10年の24回のウェットレースのうち、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)は8勝、ルイス・ハミルトン(フェラーリ)は13勝を挙げており、この2人の勝利回数は合計21回に達している。

また、過去5大会の統計(2018~19年、2022~24年)では、5レース中3レースでセーフティーカー(SC)が導入されており、その確率は60%に達する。導入された回数は6回。雨ともなれば、当然、導入の可能性はさらに高まるだけに、荒れないクリーンなレースを期待する方が難しい。

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