角田裕毅にとってアブダビテストは「絶好の機会」とホーナー、ペレス後任選考材料か―レッドブルRB20初走行
セルジオ・ペレスの進退が不透明な状況の中、12月10日(火)に開催されるF1ポストシーズンテストについて、レッドブルのチーム代表であるクリスチャン・ホーナーは、角田裕毅(RB)にとって自身の実力を証明する絶好の機会になると述べた。
ホーナーは、アブダビGP後に行われた米スピード・シティ・ブロードキャスティングとのインタビューで、アブダビテストのドライバーラインナップについて問われ、次のようにコメントした。
「ジュニアテストにはハジャーが参加し、ピレリのタイヤテストにはユーキが取り組む予定だ。これはユーキにとって、エンジニアリングチームと共に作業に取り組み、RB20をドライブする絶好の機会だ」
さらに、このテストが今後の決定に何らかの影響を与えるのかと問われると、「F1マシンをドライブする機会というものは、常に自分自身の価値を示す場となる。ユーキにとっても、アイザックにとっても素晴らしい機会だ。どうなるか見守りたい」と述べた。
アブダビテストで角田裕毅は、FIA-F2選手権2位を獲得したアイザック・ハジャーと共に、マックス・フェルスタッペンが2024年のF1ドライバーズチャンピオンを獲得したレッドブル「RB20」を走らせる。2021年にF1デビューを果たして以来、角田裕毅がレッドブルの現行マシンをドライブするのは今回が初めてとなる。
ペレスはこれまで、2025年の契約を根拠に来季もレッドブルで走ると公言してきたが、2周目にリタイアを強いられ、シーズンをドライバーズランキング8位で終えたアブダビGPを経て、自身のシートが不確実な状況にあることを初めて認めた。
レッドブルとペレスは、2026年まで有効な現行契約について「今後数日」の間に話し合いを行う予定だ。その焦点は、ペレスが来季のシートを手放すことに同意するかどうかという点にある。同時に、契約解除に伴う条件や違約金などが議題となる可能性もある。
レッドブルは今年、コンストラクターズ選手権でマクラーレンとフェラーリに敗れ、ランキング3位でシーズンを終えた。この結果、ランキングに応じて支払われる賞金は大幅に減額した。ドライバーズタイトルを獲得したチームがコンストラクターズで敗れたのは、2000年以降でわずか3回目しかない。
26年ぶりにタイトルを獲得したマクラーレンとレッドブルとのポイント差は121点に及んだ。一方、フェルスタッペンとペレスの個人成績差はこれを上回る285点に達し、チーム内でのパフォーマンス格差が改めて浮き彫りとなった。
ペレスについてホーナーは、「素晴らしいチームメンバー」であると強調する一方、今年はシーズンを通して「本当に厳しい」状況にあったとして、「今後については今シーズンを振り返って判断したい」と語った。
仮にペレスがシートを明け渡すことになれば、次なる課題はフェルスタッペンの新たなチームメイト選びとなる。
後任候補としては、姉妹チームのRBに所属する角田裕毅とリアム・ローソンの名前が挙がっているが、実績で勝る角田裕毅ではなく、ローソンが有力と広く報じられている。いずれかがレッドブルに昇格した場合、後任を務めるのはハジャーと見られる。
後任に関する噂についてホーナーは、ペレスとの話し合いを終えるまでは全て憶測に過ぎず、現時点でどちらが来年のレッドブルのシートを手にするかは未定としているが、ペレスを交代させる場合、角田裕毅とローソンが候補になると認めた。
蘭レーシング・ニュース365によると、ホーナーはローソンについて「レースペースを含め、与えられた時間で彼が成し遂げたことを踏まえれば、厳しい状況下で本当に良い仕事をしてきたと思う」と述べた。
また、角田裕毅についても「良い仕事をしてきた」としており、仮にペレスの後任が必要となった場合、角田裕毅とローソンは「我々が注目する候補になるだろう」と付け加えた。