ガレージからコースに向かうランド・ノリス(マクラーレン)、2024年9月13日F1アゼルバイジャンGP FP2(バクー市街地コース)
Courtesy Of McLaren

”最速続き”から一転「かなりの遅れ」とノリス…マクラーレンがバクーで抱えている課題とは

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F1アゼルバイジャンGP初日のマクラーレンのパフォーマンスは控えめだった。バクー市街地コースは低速の90度コーナーとストレートが組み合わされたレイアウトが特徴で、コーナーが長いほど優位性が増すMCL38の強みが活かせないコースと言える。

バッテリーの問題に見舞われたピエール・ガスリーによって計測ラップの中止を余儀なくされたため、ランド・ノリスは17番手に終わった。とは言え、このアクシデントがなくとも4番手止まりだったことだろう。オスカー・ピアストリはコンマ5秒遅れの5番手に留まった。

1日を終えたノリスは「僕らはかなり遅れている」と振り返った。

「タイムを出すためにかなり無理をしなきゃならない状況だ。オスカーのポジションが今の僕らの実力に近いと思う。だから、完璧にまとめればそのあたりには行けると思う」

「それでも他のチームには近づけないと思うし、正直、僕らはかなりの課題を抱えている。メルセデス、フェラーリ、レッドブルはみな、かなり似通ったペースだけど、僕らはそこからコンマ3~4秒ほど遅れている。やるべきことが山積みだ」

ここ数戦のマクラーレンはチャンピオンシップをリードするレッドブルとマックス・フェルスタッペンを打ち負かす速さを見せており、「最速のマシン」とみなされ続けてきた。

だが、ノリスは次のように述べ、マクラーレンがあらゆるサーキットで速いという考えは誤りだと指摘した。

「僕らが速くないサーキットはたくさんある。みんなは僕らがどこでも最速だと思いたがるけど、実際はそうじゃない。今までは他のチームより良い仕事をしてきたからこそ、いい結果を出せていたんだ」

ノリスによると、MCL38がバクーで抱えている課題の一つは路面のグリップ不足にある。

「フェラーリはここで毎年速いし、この手のコースコンディションだとメルセデスも速いと思う。路面がかなり滑りやすいからね」とノリスは語る。

「僕らはグリップが高いサーキットで自然と良いパフォーマンスを発揮できるけど、今年の路面は去年と比べても全然違う」

「今は少し厳しい状況だけど、明日に向けて今夜、懸命に作業に取り組むつもりだ。クルマは悪くないし、タイムも出せると思うけど、これまでのレースのように明確にリードしているわけじゃない」

一方でピアストリは、ノリスほど現状を悲観的には見ておらず、前向きな姿勢を見せた。

「今日はまずまずの1日だったと思う」とピアストリは振り返った。

「まだ路面がかなり変化しているから何とも言えないけど、ペースは悪くないと思う。フェラーリはかなり速そうだし、レッドブルやメルセデスも速い。今のところはトップ4チームの誰もが良さそうに見える」

「僕らのロングランペースはかなり競争力があったように思う。それは良い兆候だ。でも何人かは、かなり良いタイムを刻んでいた。それでも完璧なラップをまとめられれば、大きな違いを生み出せる。明日はそれが勝負の鍵になるだろうね」

バクーではトウ(スリップストリーム)がラップタイムに与える影響が大きいため、2台で上手く連携すれば、予選で大きなアドバンテージを得られる可能性がある。マクラーレンはQ3でピアストリにノリスの牽引を指示するだろうか。


2024年F1アゼルバイジャンGPの初日FP2をトップで締め括ったのはシャルル・ルクレール(フェラーリ)。2番手セルジオ・ペレス(レッドブル)を0.006秒差で退けた。

FP3は日本時間9月14日(土)17時30分から、公式予選は同21時から1時間に渡ってバクー市街地コースで開催される。セッションの模様はDAZNフジテレビNEXTで生配信・生中継される。

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