ホーナー、アストンの「時期尚早」なニューウェイ移籍発表に小言
クリスチャン・ホーナー代表は、レッドブルとの契約期間が残っているにもかかわらず、F1界のレジェンドデザイナー、エイドリアン・ニューウェイの移籍を「時期尚早」に祝ったとして、アストンマーチンに対する小言を口にした。
アストンマーチンは今週末のアゼルバイジャンGPを前に、英国シルバーストンの最新ファクトリーで記者会見を開き、ニューウェイの移籍を正式に発表した。
大勢の報道陣が詰めかけた会場には、チームオーナーのローレンス・ストロール、ドライバーのフェルナンド・アロンソとランス・ストロール、その他の幹部が顔を揃え、会見の模様は大々的に世界中にライブ配信された。
ニューウェイがアストンでの仕事を開始するのは2025年3月1日である。既にレッドブルのF1プロジェクトからは離れており、残すはハイパーカーRB17の仕事のみだが、契約は続いており、今もレッドブルから給与が支払われている。
こうした状況では簡単なプレスリリースのみで告知するのが通例だ。壮大な記者会見は異例だった。
F1アゼルバイジャンGPの初日を迎えたバクーでホーナーは、ニューウェイの起用に関するアストンの発表の仕方について批判を述べた。
「アストンの発表が盛大なものだったことは明らかだ」とホーナーは語った。
「エイドリアンは常に自分のやり方を貫いてきたわけで、当然ながらあのチームにとって本当に重要な瞬間だった」
「彼らはそれを祝ったが、レッドブル・レーシングとの契約が終了していないことを踏まえると、少しばかり時期尚早かもしれない」
最高技術責任者(CTO)としての職を辞し、レッドブルを離れることを決断したニューウェイについては、フェラーリといったアストン以外のチームへの移籍のほか、引退の可能性もあった。
しかしながらホーナーは、ニューウェイがアストンでキャリアを続ける決断を下したことについて「さほど驚いてはいない。引退や他のチームへの移籍より、この道を選ぶ可能性が高かったことは明白だった」と語った。
「当然、彼にとっては新たな挑戦になる。彼がチームを去るのは寂しいことだが、我々は彼の成功を祈っている」
「20年近くを共に過ごした日々や、その間の浮き沈みが懐かしく思い出されるが、私はこのチームの将来を楽しみにしているし、そのための準備は整っていると思う」
ホーナーはニューウェイの「ユニーク」な仕事のスタイルに触れて、アストンが稀代の天才デザイナーを最大限に活かすためには一定程度の準備期間が必要になるだろうと語った。
「エイドリアンは本当にクリエイティブな人物だ。彼は普通のデザイナーとは違う。F1で今でも製図板に向かっているのは彼だけだと思う」とホーナーは語る。
「そのため、お互いの働き方を理解するためのプロセスが必要になるのは避けられない。彼は様々な点でユニークだ。アストンとしては当然、彼の豊富な経験を活用しようとするだろう」