角田裕毅「数チームから連絡があった」高まる評価とF1での今後の”身の振り方針”、昇格不能であってもRB残留のシナリオも
ライバルチームから移籍のオファーを受けながらも、2025年に向けてRBに留まることが発表された角田裕毅は、依然としてレッドブル昇格をキャリアの「最優先事項」としているが、これまでのところは真の有力候補とはみなされていないふしがある。今後の身の振りをどう考えているのだろうか?
レッドブルを巡るシート状況は不透明なままだ。チームは今年6月、セルジオ・ペレスとの契約を2026年まで延長したと発表したが、34歳のメキシコ人ドライバーは成績不振から脱却できずにいる。
RB20のバランスの問題が解決されない場合、次戦アゼルバイジャンGPでレッドブルはコンストラクターズ選手権首位の座をマクラーレンに奪われる可能性が高い。今夏の首脳会合を経て残りのシーズンでの続投が明らかにされたにもかかわらず、ペレスの将来は今なお疑問視されている。
4シーズン目を迎えた角田裕毅は予選・決勝ともに、経験豊富なチームメイト、ダニエル・リカルドを上回るパフォーマンスを発揮しているが、ペレスの後任有力候補として取り沙汰されるのは、そのリカルドやリザーブ・ドライバーのリアム・ローソンばかりだ。
それでも角田裕毅は依然としてレッドブル昇格が自身にとっての「最優先事項」だと説明する。
9月4日公開のポッドキャスト「Beyond The Grid」に出演した角田裕毅は「F1でデビューして以来ずっと、レッドブルでレースをすることを目指してきました」と語った。
「現時点ではマクラーレンの方が少しばかり速いかもしれませんが、彼らにはグリッド上で最も速いクルマの一つがあります。いつか彼らのクルマをドライブして自分のポテンシャルを発揮し、トップ4、トップ3、トップ2、何であれ上位を争えればと思っています」
レッドブル昇格が叶わないとしても、角田裕毅は必ずしも移籍を検討するつもりはないと続ける。
「と同時に、もしそれが実現しない場合、彼らが現在のラインナップに満足するのであれば、僕は自分自身のために走り続けます。いずれは安定的にトップ5を走れるようになりたいですし、それを現在のチーム、VCARBで達成できればいいなと思っています」
「チームは昨シーズンと比べても大きく進歩していますし、いずれかの時点でVCARBはトップ5を争えるようになると僕は信じています。なのでクルマの開発に少しでも役立てるよう全力を尽くしています」
「もしそうなれば、僕がVCARBを去らなければならない理由はありません」
一方で魅力的なチームからのオファーがあれば、当然、検討の対象になると角田裕毅は認める。2025年のRB続投発表に先立っては、アウディ/ザウバーやアルピーヌを含め、幾つかのチームが角田裕毅にオファーを出したと報じられていた。
「VCARBとの契約にサインする前に、幸運にも幾つかのチームが連絡をくれて、様々な方向性について話してくれました。こういったことは去年を含めてこれまで一度もなかったことだと思います。なので今後も結果を出し続けていかなければなりません」と角田裕毅は明かす。
「他のチームが興味を持ってくれて、僕の考えと彼らの考えが合うのであれば、そうしない(検討しない)理由はないと思います。ですが今は、兎に角、自分がやるべき仕事に集中し、全ての人々を感動させる結果を出し続けていきたいと思います」
新たなパワーユニットが導入される2026年のF1次世代に向けてホンダは、2025年末を以てレッドブルとの関係を終了し、アストンマーチンとの新たなチャレンジをスタートさせる。HRCの渡辺康治社長は昨年、ホンダ育成ドライバーの角田裕毅がアストンのF1シート候補に入ることを望んでいると認めた。