事故責任の一端を感じるマルコ「不必要に激しい」フェルスタッペンとノリスの攻防、回避できたかもと後悔
モータースポーツ・アドバイザーを務めるヘルムート・マルコはF1オーストリアGPでのマックス・フェルスタッペンとランド・ノリスの争いを「不必要に激しい」ものであったと評し、この状況ならびに、これに続く事故を招いた責任の一端はレッドブルにあるかもしれないとの考えを示した。
ターン3での物議のクラッシュを前にノリスは、累積トラックリミットによる5秒ペナルティの危機に晒されていた。マルコはこの事実を事前にフェルスタッペンに伝えておけば、事故を防げたかもしれないと悔いている。
マルコはフェルスタッペンとノリスの双方が「必要以上に激しくドライブしていた」とした上で、「我々にも責任があるかもしれない。ランドがトラックリミットで調査を受けていることを知っていたからだ」と語った。
「ただあの時点では、彼が実際に処分を受けるのかどうか、またはどのような処分を受けるのかは分からなかった。今にして思えば『よし、彼を前に行かせてやれ』と(フェルスタッペンに)言うこともできただろう」
スチュワードは映像の調査を経て、正当な理由なく4回に渡ってコースを離れたとしてノリスに5秒ペナルティを科した。フェルスタッペンとしては無理にノリスを退けず、前に行かせた上で5秒以内にフィニッシュすれば優勝を手にすることができた。
だが実際は、71周で行われたレースの87%でリードを築きながらも、残り8周で発生したノリスとの接触によりタイヤがパンク。5位に終わった。
マルコは「勝利を逃したのには幾つかの要因がある」と分析する。
「ピットストップが上手くいかずランドにDRSを許してしまったこと、そして、ハードタイヤの方が有利だと想定していたこと。予想よりも温度が低かったため、実際にはそうではなかった」
「ランドは最終スティントで新品タイヤを履き、我々は中古を履いた。これも要因の1つだった」
「ピットストップを経てマックスはターン4でタイヤをロックアップさせた。これら全てが重ねり我々は厳しい状況に追い込まれた」
2024年F1第11戦オーストリアGP決勝レースでは3番グリッドからスタートしたジョージ・ラッセル(メルセデス)が通算2勝目を上げた。2位はオスカー・ピアストリ(マクラーレン)、3位表彰台にはカルロス・サインツ(フェラーリ)が滑り込んだ。
シルバーストン・サーキットを舞台とする次戦イギリスGPは7月5日のフリー走行1で幕を開ける。