ニューウェイ、移籍先F1チーム「最有力」はアストンマーチンとの報道…ファクトリー見学を経てローレンス・ストロールと会談か
過去3年に渡るマックス・フェルスタッペンの王座獲得の立役者であり、史上最も高い評価を受けるF1デザイナー、エイドリアン・ニューウェイの移籍「最有力候補」はアストンマーチンだと英紙タイムズが報じた。
報道によるとニューウェイは、英国シルバーストンにあるアストンの最新鋭のファクトリーを秘密裏に見学し、チームオーナーでカナダ人大富豪のローレンス・ストロールと話し合いの場を持ったという。
65歳のイギリス人F1デザイナーは先月、ダブルタイトル3連覇を目指す王者レッドブル・レーシングの最高技術責任者(CTO)の職を退くことが発表された。”空力の鬼才”は19年間に渡るチーム在籍を経て、2025年第1四半期を以てチャンピオンチームを離れる。
ニューウェイがフリーエージェントとなったことで、パドックでは移籍先について様々な憶測が飛び交っており、これまではスクーデリア・フェラーリが有力視されてきた。イタリアの伝説的F1チームは来年、7度のF1ワールドチャンピオン、ルイス・ハミルトンを新たに迎え入れる。
しかしながら英紙タイムズは、ストロールはニューウェイの獲得に「自信」を持っていると伝え、F1デザイン界の第一人者を巡る競争でアストンが「最有力候補」に浮上したと報じた。
アストンの広報担当者は同紙に対し、同社のF1プロジェクトはストロールが掲げるビジョン、最先端のファクトリー、そして「アラムコ及びホンダとのエキサイティングなパートナーシップ」を備えた「非常に魅力的」なものであると強調したうえで、「現時点で発表できることはない」と述べた。
現在レッドブルにパワーユニットを供給するホンダは2026年よりアストンと提携する。アストンはホンダのワークスチームとして初のチャンピオンシップ制覇を目指す。
ニューウェイが持つグランドエフェクトカーに関する専門知識とノウハウは、3年連続となるフェルスタッペンのタイトル獲得に極めて重要な影響を及ぼした。レッドブルとフェルスタッペンは今季開幕9戦を終えて選手権争いで首位を独走している。
成功の真っ只中にあるにも関わらずニューウェイは、クリスチャン・ホーナー代表を巡る一連の騒動やチーム内紛を経て、5月に退任を表明した。既にF1プロジェクトからは手を引いており、現在は今年7月に初公開が予定されるレッドブル初のハイパーカー「RB17」の仕事に専念している。
F1では2026年にパワーユニットおよびシャシーが刷新される。レギュレーション変革の度に所属チームをトップへと引き上げてきた30年に渡るニューウェイのF1での経験、そしてその名前は、契約を望むチームにとって極めて大きな意味を持つ。