冷える肝…鈴鹿130Rでのペレスの追い抜き「3人の子供がいるとは思えない!」とホーナー、思い出されるアロンソの”あの一言”
レッドブルのクリスチャン・ホーナー代表は、2024年のF1日本GPでセルジオ・ペレスが見せた鈴鹿130Rでの2度に渡るアグレッシブなオーバーテイクに肝を冷やしたようだ。
2番グリッドから鈴鹿での53周に臨んだペレスは、アンダーカットや戦略の違いからトラックポジションを落とし、フィールドを駆け上がるレースを強いられるも、果敢なオーバーテイクを繰り返して今季3回目の2位表彰台に上がった。
最終スティントのターン1での飛び込みによって、立て続けにランド・ノリス(マクラーレン)とシャルル・ルクレール(フェラーリ)を交わした動きも印象的だったが、特に果敢だったのはエンジン全開の130Rでの追い抜きだった。
ペレスは17周目の130Rでルイス・ハミルトン(メルセデス)のイン側に飛び込み見事なオーバーテイクを決めると、その翌周の130Rでも全く同じアプローチでジョージ・ラッセル(メルセデス)を攻略した。
英「Motorsport Week」によるとホーナーは、鈴鹿でのペレスのパフォーマンスに感銘を受けたとしつつも、130Rでのメルセデス勢に対する仕掛けには身が縮む思いだったと明かした。
「チェコは特に今週末、力強いパフォーマンスを見せたと思う」とホーナーは振り返る。
「予選ではチームメイトにコンマ1秒差にまで迫り、レースペースも間違いなく速かった。ただ、トラフィックの中を駆け上がらなければならないという不利な状況にあった」
「130Rで仕掛ける姿を見て正直、何度か目をつぶったよ。そこで行く必要あるのか? ストレートまで待てないのか?ってね」
「あんな動きをするなんて、3人の子供がいるとは思えなかったよ!」
130Rでの印象的な動きと言えば、2005年にフェルナンド・アロンソがアウト側からミハエル・シューマッハを抜き去ったオーバーテイクだろう。
コーナーのエイペックスでアロンソのクルマは時速330kmに達していた。接触すれば致命的な事故につながる事は明白で、仕掛けるに必要な勇気は計り知れなかったが、アロンソはシューマッハが手を引く事を確信していたようだった。
このオーバーテイクについて、42歳となった今も独身のアロンソは後に「あの手の時は、マイケルに2人の子供がいる事を思い出すんだ」と振り返っている。