異例…開幕僅か1ヶ月で劇的に動くF1ドライバーマーケット、大型移籍合意間近か
バーレーンでのシーズン開幕から一月も絶たず、F1ドライバーマーケットは劇的に動き出しているようで、大型移籍の発表が間近に迫っているとの見方が出ている。
例年はサマーブレイク前後に契約交渉が進展し、延長や新たな契約に関する発表が活発化するが、4月早々という序盤にも関わらず今年は既にパドックが騒がしい。
シーズン開幕前にルイス・ハミルトン(メルセデス)がフェラーリへの2025年電撃移籍を発表し、チーム代表のクリスチャン・ホーナーを巡る疑惑に端を発する混乱を受け、マックス・フェルスタッペンがレッドブルを去る可能性が浮上した事が一因だ。
また、マーケットに多くのドライバーが出ている事も理由の一つだ。今季末限りで現行契約が満了を迎えるのはカルロス・サインツ(フェラーリ)やフェルナンド・アロンソ(アストンマーチン)を含めて12名に及ぶ。うち、現時点で来季の契約が決まっているのはハミルトンのみ。つまり11シートに空きがある。
チーム | ドライバー |
---|---|
メルセデス | 未定 |
ジョージ・ラッセル | |
フェラーリ | シャルル・ルクレール |
ルイス・ハミルトン | |
レッドブル | マックス・フェルスタッペン |
未定 | |
アルピーヌ | 未定 |
未定 | |
RB | 未定 |
未定 | |
アストン | ランス・ストロール? |
未定 | |
ザウバー | バルテリ・ボッタス |
未定 | |
ハース | 未定 |
未定 | |
ウィリアムズ | アレックス・アルボン |
未定 |
メルセデスのトト・ウォルフ代表は鈴鹿で、現在のドライバーマーケットは「非常に流動的」であるとして、「本当に優秀なドライバーの何名か」が、メルセデスではない他のチームと「契約しようとしている」と述べ、契約合意が間近に迫っているとの見方を示した。
また、英「AUTOSPORT」とのインタビューの中でレッドブルのモータースポーツ・アドバイザーを務めるヘルムート・マルコは、例年ではあり得ない事だがドライバーマーケットが4月に急激に活発化したと明かした。
その理由については、正確には分からないとしつつも「アウディが圧力をかけていると聞いているが、新参者がドライバーマーケットに圧力をかけるのは少し奇妙だ」と語った。
また、マルコとホーナーは共に早期の決定を除外しているが、最も倍率の高いレッドブルのシートに座るセルジオ・ペレスは「今後数週間のうちに間違いなく、多くの動きがある。だから、1ヶ月以内には来年、自分が何をしているのかが分かると思う」と語った。
レッドブルの候補にはペレスの他に、サインツ、アロンソ、アレックス・アルボン(ウィリアムズ)の名が取り沙汰されている。
フリーエージェント・ドライバーの中で最も多くのチームから引き合いがあると考えられているのはサインツだ。2022年のアブダビGP以降のフェルスタッペン以外の唯一のウィナーである29歳のスペイン人ドライバーは、レッドブル、アウディ(現ザウバー)、そしてアストンの候補と見なされている。
ウォルフは明言していないが、契約合意が間近に迫っているというドライバーの一人は恐らくサインツだろう。メルセデスやレッドブルが時間をかけて来季のドライバーを検討したいとしている一方、サインツは自身の将来を早期に確定させたいと望んでいる。
多くのチームとの噂がある有力ドライバーが契約を結ぶと、ドミノ倒しのように他のシートが一気に決まる事は珍しくない。果てしてこれからの1ヶ月間に何が起きるのか、はたまた起きないのか。注目したい。