ウォルフ、フェルスタッペンにラブコール…2025年メルセデスF1移籍を希望 ハミルトンの後任として
トト・ウォルフ代表は、マックス・フェルスタッペンがルイス・ハミルトンの後任として2025年に向けてレッドブルからメルセデスに移籍する事を望んでいると認めた。ただ、3度のF1ワールドチャンピオンを今のレッドブルから引き離せるほど、自分達のクルマに魅力があるとは考えていない。
フェルスタッペンはF1第2戦サウジアラビアGPでのポール・トゥ・ウインを以て開幕2連勝を飾り、ドライバーズタイトル4連覇に向け順調に歩みを進めているが、クルマの競争力を除けば今のレッドブルには不穏な要素がある。
ジェッダ市街地コースでのレースに先立ち、恩師ヘルムート・マルコが停職あるいは懲戒解雇処分となる可能性が浮上するとフェルスタッペンは、2028年末までの契約があるにも関わらず、マルコが意に反してチームを去ることになればレッドブルでの自身の将来を再考すると強く示唆した。
レッドブルGmbHの企業プロジェクト・新規投資部門CEOを務めるオリバー・ミンツラフとの会談を経てマルコ離脱の危機は一旦、落ち着きはしたものの、フェルスタッペンの将来は依然として憶測の的になっている。
こうした状況を背景にメルセデスの指揮官は、2025年にフェラーリに移籍するハミルトンの後任として、フェルスタッペンの獲得を望んでいると公言した。
英「Sky Sports」によるとウォルフは、フェルスタッペンを「是非とも迎えたい」と語ったが、そのためには3度のF1王者を満足させられるだけの競争力あるパッケージを用意する必要があるとも認めた。
「まずは自分達のクルマを立て直す必要がある。来シーズンの未来を夢見る前に我々は、クルマを改善し、我々のドライバーであるジョージとルイスに良い装備を与える義務がある」
「決断を下すのは少し待つ事になると思う。いくつか興味深い選択肢があるからね」
「シーズンがどう進展するか、若手ドライバーや少しばかり年配のドライバーの評価に関して、より良く判断できるようになればなるほど、今後数週間で下したい決断とは思わないだろうし、むしろ、物事の進み方に応じて数ヶ月後になるだろう」
ハミルトンの後任候補リストの一番上にフェルスタッペンの名前があるのかと問われたウォルフは「これはマックスが下すべき決断だが、彼を自分達のクルマに乗せるために逆立ちをしたくないチームはグリッド上に一つもないだろう」と答えた。
ウォルフは、フェルスタッペンの将来を決めるのはマネジャーのレイモンド・フェルミューレンや父親のヨスではなく、フェルスタッペン本人だと考えており、メディアを通してラブコールはしたものの、最終的にはレッドブルに留まると見ているようだ。
「ドライバーは常に、レースやチャンピオンシップに勝つための最良のチャンスを与えてくれる最速のクルマに乗りたがるものだ。マックスは今、そういう状況にいる」とウォルフは語る。
「だが、マックスもヨスもレイモンドも、本当に真っ直ぐで、時に不快なほど率直な人たちだ。それは…彼らが自分達の判断を下すということだが、基本的にレーシングドライバーは最高のクルマに乗るようにプログラムされているものだと私は思っている」