トップチェッカーを受けパルクフェルメでクルマの上に立つマックス・フェルスタッペン(レッドブル)、2024年3月2日F1バーレーンGP決勝レース
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フェルスタッペン、4連覇に向けグランドスラム発進!角田は”皮肉”と苛立ちの結末に / F1バーレーンGP 2024《決勝》結果と詳報

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2024年シーズンのFIA-F1世界選手権第1戦バーレーンGP決勝レースが現地3月2日(土)にバーレーン・インターナショナル・サーキット(BIC)で行われ、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)が後続に22.457秒の大差をつけ、ポール・トゥ・ウインで通算54勝目を飾った。

ポールを逃す可能性も十二分にあった予選とは異なり、スタート直後のターン1での攻防を除いて他を寄せ付けず、全周をリードしてファステスト・ラップの1点を含む満額ポイントを獲得。グランドスラムを達成してタイトル4連覇に向け完璧なスタートを切った。2位には僚友セルジオ・ペレスが続き、レッドブルは1-2フィニッシュを果たした。

パルクフェルメで1-2フィニッシュを祝うレッドブルのマックス・フェルスタッペンとセルジオ・ペレス、2024年3月2日(土) F1バーレーンGP(バーレーン・インターナショナル・サーキット)Courtesy Of Red Bull Content Pool

パルクフェルメで1-2フィニッシュを祝うレッドブルのマックス・フェルスタッペンとセルジオ・ペレス、2024年3月2日(土) F1バーレーンGP(バーレーン・インターナショナル・サーキット)

レッドブルに続いたのはフェラーリの2台だった。最前列2番グリッドに着いたシャルル・ルクレールは、ブレーキに問題を抱えて一時は5番手にまで順位を落としたが、それでも終盤に向けて調子を取り戻してジョージ・ラッセル(メルセデス)をパス。ドライバー・オブ・ザ・デイに選出された僚友カルロス・サインツに続く4位でフィニッシュした。

RB勢は、ニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)の転落により角田裕毅が1周目にポイント圏内10番手に浮上したものの、スティントを引っ張る戦略が仇となり、ピットストップの度に直近のライバルにアンダーカットを許して前を塞がる展開となった。

ハードタイヤを装着したVCARB 01にはザウバーはおろか、レースペースが「最大の弱点」と自認するハースをコース上で交わすだけの速さもなく、終盤に向けてソフトタイヤで後方を走るダニエル・リカルドとの順位交換の指示をチームから受けると「今?冗談だろ」とあからさまに苛立った様子を見せた。

そして、残り5周のターン5でチームオーダーを消化すると「みんな、ありがとう。感謝するよ」と皮肉を口に。最終的にはランス・ストロール(アストンマーチン)、周冠宇(ザウバー)、ケビン・マグヌッセン(ハース)、そしてチームメイトに対してポジションを失う14位で初戦を終えた。

アレックス・アルボン(ウィリアムズ)をリードする角田裕毅(RBフォーミュラ1)、2024年3月2日(土) F1バーレーンGP決勝レースCourtesy Of Red Bull Content Pool

アレックス・アルボン(ウィリアムズ)をリードする角田裕毅(RBフォーミュラ1)、2024年3月2日(土) F1バーレーンGP決勝レース

メルセデス勢はオーバーヒートとERS(エネルギー回生)の問題に見舞われ、ラッセルは序盤に2番手を走行していたものの表彰台にすら上がれず5位に終わり、9番手スタートのルイス・ハミルトンはシート破損にも直面し、7位フィニッシュが精一杯だった。

ランド・ノリスは序盤にタイヤのデグラデーションに苦しんだが、燃料が軽くなり始めると復活。メルセデスと遜色ないペースを刻んで6位でフィニッシュした。マクラーレンの僚友オスカー・ピアストリも8位と健闘。タイヤ交換直後のアウトラップでハミルトンに追い抜きを許したのみだった。

アストンマーチンには期待されたようなレースペースはなく、フェルナンド・アロンソは表彰台の可能性にすら言及していたが、角田裕毅と同じように戦略的にも恵まれず、3ポジションダウンの9位に終わった。対照的に予選12番手のランス・ストロールは、早期ピットストップの恩恵に預かり10位入賞のカムバックを果たした。

ローガン・サージェント(ウィリアムズ)がステアリングホイールに一時的な問題を抱え、レース序盤にターン4脇のランオフエリアで一時ストップしたものの、大きな接触事故や深刻なテクニカルトラブルはなく、20名のドライバー全員がレースを完走した。

バーレーンGPで全車が完走したのは今回が初で、シーズン開幕戦でリタイヤが発生しなかったのはF1史上初の出来事だった。

レース概要

決勝は日本時間2日(日)24時にブラックアウトを迎え、1周5,412mのコースを57周する事で争われた。現地サクヒールは晴れ、チャンピオンシップポイントを争うレースのフォーメーションラップは気温18℃、路面24℃のドライコンディションで開始された。

公式タイヤサプライヤーのピレリは最も硬いレンジのC1からC3までのコンパウンドを投入。レースでは最低2種類のコンパウンドを使用する義務があり、例年通りハードとソフトを使う2ストッパーが主流となった。全車がソフトを履いてグリッドに着いた。

ドライバー別タイヤ戦略、2024年3月2日F1バーレーンGP決勝レースCourtesy Of Pirelli & C. S.p.A.

ドライバー別タイヤ戦略、2024年3月2日F1バーレーンGP決勝レース

レース中の気温及び路面温度の変化、2024年3月2日F1バーレーンGPCourtesy Of Pirelli & C. S.p.A.

レース中の気温及び路面温度の変化、2024年3月2日F1バーレーンGP

競技規定が改定され、今季は1周早くDRSが使用できるようになった。検出ポイントで前走車両から1秒以内にいる場合、以前のように3周目ではなく2周目以降にリアウイングのフラップを開いてストレートライン速度を上げることができる。

強風の影響だろうか。レコノサンス・ラップではリカルドやノリス、ハミルトンがコース外に飛び出す場面があった。

レース展開

1周目のターン2でシャルル・ルクレール(フェラーリ)とジョージ・ラッセル(メルセデス)をリードするマックス・フェルスタッペン(レッドブル)、2024年3月2日F1バーレーンGP決勝レースCourtesy Of Red Bull Content Pool

1周目のターン2でシャルル・ルクレール(フェラーリ)とジョージ・ラッセル(メルセデス)をリードするマックス・フェルスタッペン(レッドブル)、2024年3月2日F1バーレーンGP決勝レース

オープニングラップでは、蹴り出しで大きく出遅れたヒュルケンベルグがターン1でストロールの右リアにウイングを引っ掛け、フロントウイングの交換のためにピットストップを行った。リカルドもスタートで出遅れた。

2番手ルクレールは「ブレーキをかけるとクルマが右に寄ってしまう。こんなんじゃ戦えない。危険だ」と無線で報告。毎周のようにタイヤをロックアップさせ、3周目にラッセル、7周目にペレス、11周目にはサインツに前を許した。

10周目、サージェントがターン1のランオフエリアに飛び出し、30秒ほど停止する場面があった。チームによるとステアリングに問題があり交換が行われた。アルボンも刷新されたディスプレイ付きのステアリング操作に苦戦した。

上位勢で最初にタイヤ交換に動いたのは2番手争いを繰り広げるラッセルとルクレールだった。両者が11周目の終わりにハードタイヤに履き替えると、ルクレールのアンダーカットを防ぐべくペレスが翌周に反応。14周目にラッセルを交わして事実上の2番手に浮上した。

角田裕毅は4番手を走行していた14周目に1回目のピットストップを行い、ハードタイヤに履き替え13番手でコースに戻った。この時点で最終的に上位でフィニッシュする周冠宇とストロールにアンダーカットを許した。

36周目の2回目のストップもライバルよりタイミングが遅く、アウトラップでマグヌッセンにオーバーテイクされた。

単独クルーズのフェルスタッペンは誰よりも長く第1スティントを引っ張り、17周目の終わりにハードに交換。ペレスの前方6秒の位置でコースに戻った。変則のソフト、ハード、ソフトの戦略を採るレッドブル勢は第2スティントもロングスティントとした。

31周目、2回目のタイヤ交換のためにピットインしたバルテリ・ボッタス(ザウバー)が、左フロントに問題を抱えて1分近くのタイムロスを強いられ、サージェントとともに最後方に転落した。

残り12周のターン10でラッセルがコース外に飛び出すと、ルクレールがこれを交わして4番手にポジションを戻した。

リカルドはラスト5周でチームオーダーにより13番手に浮上。マグヌッセンに対してコンマ9秒にまで迫ったが、決定的なオーバーテイクのチャンスを作るには至らなかった。

2024年F1第1戦バーレーンGP決勝リザルト

Pos No Driver Team Laps Time PTS
1 1 マックス・フェルスタッペン レッドブル・ホンダRBPT 57 1:31:44.742 26
2 11 セルジオ・ペレス レッドブル・ホンダRBPT 57 +22.457s 18
3 55 カルロス・サインツ フェラーリ 57 +25.110s 15
4 16 シャルル・ルクレール フェラーリ 57 +39.669s 12
5 63 ジョージ・ラッセル メルセデス 57 +46.788s 10
6 4 ランド・ノリス マクラーレン・メルセデス 57 +48.458s 8
7 44 ルイス・ハミルトン メルセデス 57 +50.324s 6
8 81 オスカー・ピアストリ マクラーレン・メルセデス 57 +56.082s 4
9 14 フェルナンド・アロンソ アストンマーチン・メルセデス 57 +74.887s 2
10 18 ランス・ストロール アストンマーチン・メルセデス 57 +93.216s 1
11 24 周冠宇 ザウバー・フェラーリ 56 +1 lap 0
12 20 ケビン・マグヌッセン ハース・フェラーリ 56 +1 lap 0
13 3 ダニエル・リカルド RB ホンダRBPT 56 +1 lap 0
14 22 角田裕毅 RB ホンダRBPT 56 +1 lap 0
15 23 アレックス・アルボン ウィリアムズ・メルセデス 56 +1 lap 0
16 27 ニコ・ヒュルケンベルグ ハース・フェラーリ 56 +1 lap 0
17 31 エステバン・オコン アルピーヌ・ルノー 56 +1 lap 0
18 10 ピエール・ガスリー アルピーヌ・ルノー 56 +1 lap 0
19 77 バルテリ・ボッタス ザウバー・フェラーリ 56 +1 lap 0
20 2 ローガン・サージェント ウィリアムズ・メルセデス 55 +2 laps 0

コンディション

天気晴れ
気温18℃
路面温度24℃
周回数57

セッション概要

グランプリ名 F1バーレーンGP
レース種別 決勝
レース開始日時

サーキット

名称 バーレーン・インターナショナル・サーキット
設立 2004年
全長 5412m
コーナー数 15
周回方向 時計回り

F1バーレーンGP特集