ピットレーンでの集合写真撮影に臨むアルファタウリのフランツ・トスト代表と角田裕毅、2023年11月18日(土) F1ラスベガスGP(ラスベガス市街地コース)
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角田裕毅には”もっと努力”が必要「気楽すぎるところがある」とフランツ・トスト、トップドライバー足るに欠けている要素とは

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角田裕毅についてアルファタウリのフランツ・トスト代表は、天性の速さという点においてはトップドライバーに相応しい資質を備えていると認める一方、真のトップドライバーになるためには全方位的に努力が必要だと指摘した。

これまでに17名のドライバーの成長をサポートし、見守ってきたアルファタウリの指揮官は、チーム代表としてのラストレースとなる2023年のF1アブダビGPを前に公開されたポッドキャスト「Beyond The Grid」の中で次のように語った。

「ユーキには天賦のスピードがある。その点においてはトップドライバーだと言わざるを得ない。だがもっと規律正しくあらねばならないし、もう少し努力が必要だ。彼は少しばかり気楽に構えすぎなところがある」

どういった部分で努力が必要なのか? トストは「あらゆる分野でだ」と語る。

「技術面もそうだし、栄養管理面でも少し、フィジカル・トレーニング面でも少し。あらゆる面でどんどん良くなってきてはいるが、トップドライバーになるためには全てにおいてもっと努力しなければならない」

引退レースのフランツ・トスト代表に捧げるスペシャルヘルメットを被ってクルマに乗り込む角田裕毅(アルファタウリ)、2023年11月24日F1アブダビGPCourtesy Of Red Bull Content Pool

引退レースのフランツ・トスト代表に捧げるスペシャルヘルメットを被ってクルマに乗り込む角田裕毅(アルファタウリ)、2023年11月24日F1アブダビGP

トップドライバーと呼ばれるに足りていない要素についてトストは詳細に説明しなかったが、そうした評価を得るまでに成長したかつての教え子達に対する評価から幾らか読み取れるものがありそうだ。

トストがこれまでに指導した中で最も多くの成功を収めたドライバーの一人はセバスチャン・ベッテルだ。4度のF1ワールドチャンピオンについてトストは「何事にも本当に真剣に取り組むドライバーだった」と振り返る。

「本当に規律正しく、ドライビング面だけでなく栄養面でも本当に細かいところまで気を使っていた」

「トレーニングに関してもそうだ。彼は何度も私を捕まえて、それこそ色々なトピックについて話し合った。彼は360日をF1と共に生きていた」

現在、フェラーリに籍を置くカルロス・サインツもトストの教え子だ。

「カルロスもまた腕の立つドライバーだが、天性のスピードという点ではマックス(フェルスタッペン)には及ばなかった。だがカルロスは本当に懸命に仕事に取り組む人間で、かなり賢いドライバーでもあり、本当の意味で非常に高いレベルに達してみせた」

「今や彼は私にとってF1で最高のドライバーの一人だが、当時からそれを感じさせるものがあった」

「彼は飛び乗ってすぐに速さを発揮するタイプではなく、周回を重ねる必要があるが、そうすることであらゆる面を分析する」

「そして自らの欠点に取り組み、その結果として現在のレベルに到達したんだ」

現在、角田裕毅とタッグを組むダニエル・リカルドもかつてのトロロッソ・ドライバーだ。

放蕩息子についてトストは「熟練したドライバーだが、彼の優れた資質は技術的な面とクルマのセットアップ方法にある」と語る。

「そして自身に対して本当に多くの疑問を投げかけるドライバーでもある」

「クルマに対する彼のフィーリングは素晴らしい。クルマの状態に関するフィードバックは本当に有益だ」

「そしてレッドブル在籍当時はしばしば、マックスにかなり迫るパフォーマンスを発揮していた」

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