フェルスタッペン、レッドブルに対するTD018の影響を予想…F1シンガポールより”たわみ”規制強化
国際自動車連盟(FIA)はTD018と呼ばれる技術指令、つまりレギュレーションの明確化を目的とする指示書を通して、F1第16戦シンガポールGPより空力パーツの柔軟性、”たわみ”に関する取り締まりを強化する。
これは特にフロントウイングとリアウイングに焦点を当てたもので、技術規則第3条15項の要件を満たしながらも、空力的変形を最大化するために「隣接するコンポーネント間の相対的な動き」を利用する事例が幾つか確認された事による。
どういう事か。概して言うならば、ウイングやフロアと言った個々のパーツは第3条15項で定められている”たわみ”検査をクリアしているものの、走行時に各々のパーツの”たわみ”や”ねじれ”の相互作用を利用して空力的アドバンテージを得ようとする行為が散見されるという事だ。
FIAのテクニカル・ディレクターを務めるティム・ゴスは例として「リアのビームウイングとエンドプレートの接合部がピボット部を中心に回転したり、横方向や上下方向に動くような形で切り離されている」デザインを挙げる。
技術司令は一般的に、ライバルチームの密告に端を発して発効される事が多いが、ゴスによるとTD018に限っては「より明確な説明が必要だという幅広い認識」を受けてのもので、特定のチームをターゲットにしたものではないという。
一部には、2023年シーズン全勝という前代未聞の大記録を達成する可能性があるRB19への影響を予想する声もあるが、マックス・フェルスタッペンはシンガポールGPに先立ち、TD018がレッドブルの競争力に影響を与える可能性を否定した。
「それはないと思う。僕らはフレキシブルなフロントウイングなんて持っちゃいないからね。僕らのダメージになるとは思っていない」
ただしTD018の影響とは別に、フェルスタッペンはマリーナベイ市街地コースでは、いつものような優位性を発揮できないかもしれないとの考えを示した。
「他のコースほどの競争力があるとは思わない。ここのストリートサーキットは、僕らのクルマにとって少し厳しいかもしれない」
「とは言え、良い仕事ができるとは思ってる。ただ、かなり接戦になるだろうね」
フェルスタッペンにとって未勝利、未ポールのシンガポールGPは、史上最多11連勝という歴史的な偉業が懸かる週末となるが、殊更にプレッシャーが増える事はないという。
「実際、8連勝とか9連勝なんて数字を気にした事はなかったしね」とフェルスタッペンは語る。
「僕は常に最善を尽くしたいとしか思っていない。だから自分にかかるプレッシャーの量は基本的に変わらないんだ」