角田裕毅、マリーナベイ市街地コースのレイ変による影響を予想
マリーナベイ市街地コースのレイアウト変更について角田裕毅(アルファタウリ)は、オーバーテイクの促進に繋がる可能性があると考えている。コース付近の再開発工事の影響で2023年のF1シンガポールGPは従来とは異なるレイアウトで行われる。
ターン16~19区間にあった4つの90度コーナーは撤去され、長さ398 mのストレートに置き換えられた。これによりコーナー数は23から19に減り、全長が135m短くなったため、レース周回数は61周から62周に増加した。
リアタイヤのオーバーヒートの緩和やドライバーへの身体的要求の軽減が期待されるところだが、角田裕毅は新たなターン16でのブレーキングで追い抜きのチャンスが増えると予想している。
週末に向けたアプローチについて角田裕毅は「FP1ではまず、路面状況を見極めて、クルマの挙動がコースに合っているかどうかを確認する事になります」と説明する。
「その後は予選までに100%の状態に持っていくために、徐々に積み上げていくことになりますが、特に幾つかのコーナーが削られたセクター3を含めて、今年はコースが若干変更された事で、オーバーテイクのチャンスが増えそうです」
「全てのエリアが公道であるという点でシンガポールは真のストリートサーキットと言えます。路面コンディションは毎年、毎セッション違うため、少しずつスピードを上げていき、自信を持ってクルマをドライブできるように、できるだけ多くの周回を重ねていく必要があります」
また、11番手からの今季4度目の入賞を目指すも、パワーユニットのトラブルによりDNSに終わった前戦イタリアGPを振り返り、「モンツァは上手くいきませんでしたが、決勝までは良いペースがありましたし、ここ数戦で幾らか進歩できたので、それに関してはポジティブに捉えています」とも語った。
イタリアGPからシンガポールGPまでは角田裕毅にとって慌ただしい2週間となった。
まずはファエンツァを本拠地とするスクーデリア・アルファタウリの歴史を描いたドキュメンタリー映画「Whatever it Takes」のワールドプレミアのためにベネチアを訪れ、その後はイタリアからドイツへと飛び、ニュルブルクリンクのノルドシュライフェでホンダNSX GT-3 Evoをドライブした。
「チームの変遷を描いた映画『Whatever it Takes』のためのベネチア訪問を皮切りに、本当に慌ただしいスケジュールを過ごしてきました」と角田裕毅は振り返る。
「ベネチアに行ったのはこれが2度目です。本当にユニークな場所です。僕があまり知らなかった舞台裏や、チームの移り変わり、情熱が描かれていて本当に面白かったです!」
「その後はニュルブルクリンクのノルドシュライフェで行われたレッドブルのイベントに参加するためにドイツに飛びました」
「セバスチャン・ベッテルはレッドブル時代に乗っていたマシンを走らせ、僕はホンダNSX GT-3に乗りました。この手のレーシングカーをドライブするのも、このコースを走るのも今回が初めてだったので全てが新鮮でした!ブラインドコーナーや起伏が多く、平坦な場所を走っているのかどうか把握しづらく、すごくチャレンジングな経験でした」
「ここで昔のF1レースがどんな風に行われていたのか想像もつきません」
角田裕毅はマリーナベイ初走行となった昨年のシンガポールGP予選で10番手につけるも、決勝ではミスによるクラッシュを喫してリタイヤに終わっており、今回は初入賞を目指す事になる。
F1シンガポールGPは日本時間9月15日(金)18時30分からのフリー走行1で幕を開ける。予選と決勝を含めた全セッションはDAZNとフジテレビNEXTで生配信・生中継される。