角田裕毅、”兄”ガスリーと3名の今季チームメイトとの関係を比較
角田裕毅(アルファタウリ)は直近の1年で4名をチームメイトに持つという類まれな状況に置かれた。兄のような存在と慕っていたピエール・ガスリーと、今年新たにタッグを組んだニック・デ・フリース、ダニエル・リカルド、そしてリアム・ローソンとの関係にはどのような違いがあるのだろうか?
ガスリーの移籍により2023年シーズンに向けてアルファタウリはFIA-F2選手権およびフォーミュラE王者のデ・フリースを起用したが、成績不振を理由にハンガリーを前に更迭。ダニエル・リカルドが後任に据えられた。
しかしながらそのリカルドは復帰3戦目のオランダGPで中手骨を骨折するクラッシュに見舞われ、以降の2戦はユーロフォーミュラ・オープン時代のチームメイト、リアム・ローソンが代役としてAT04のステアリングを握っている。
所属チームが変わった事でガスリーと共有する時間は減ってしまったが、それでも関係が損なわれたわけではない。ガスリーがアルピーヌ移籍後初表彰台に上がったF1オランダGPを経て角田裕毅は念願のガスリー宅を訪問。共に作った料理に舌鼓を打った。
ガスリーとの現在の関係について、蘭「RacingNews365」とのインタビューの中で角田裕毅は「彼はまだパドックにいますし、何も変わっていません」と語った。
「会う度にハローって挨拶をして、ちょっとおしゃべりします。楽しいですよ。(パドックで)ガッツリ絡んだのはイタリアGPの時が初めてでしたけどね」
「(チームメイト時代について)僕はルーキーという立場で彼は経験豊富なドライバーだったので、多くを学ぶ必要がありましたし、競争関係にあったとは言え、少し年上の兄貴のような存在で、プレッシャーはありませんでした」
チームメイト関係になったのは今年が初めてであったが、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)の自宅に遊びに行くなど、デ・フリースとは以前から交流があった。
「ニックとは数年前から友人でした。ピエールとの2年間と同じような感じで話をしたり、同じようなチームメイト関係になったりすることはありませんでしたが、関係自体は少し深いものでした」
「ダニエルとは以前、少し話したことがある程度で、友達というわけではありませんでしたが、彼がチームに加わって以降は、たくさん喋って関係を深めています」
「彼も経験が豊富なので、学ぶものがありますし、逆にアルファタウリの走り方については彼も僕から学ぶものがあると思います」
「リアムはジュニアカテゴリー時代からの友人で、互いに相手の考え方を知っています。一緒に楽しい時間をたくさん過ごしました」
リードドライバーとしてファエンツァのチームを率いてきたガスリーの離脱は角田裕毅の心持ちを大きく変えた。
「ニックはルーキーで、F1についてはあまり知りませんでした。一方で僕は既にこのチームで2年過ごしていました。(ガスリーの離脱により)誰かがリードして、チーム全体を同じ方向に発展させる手助けをしなければなりませんでした」
「過去2年では、ピエールのようなリーダーとなるに相応しい事を十分に証明できなかったように思います。なので今年の最初の数レースでは、自分が十分に速く、一貫して結果を残せるだけの実力があると証明することに集中しました」
「これは達成できたように思いますし、以前よりもチームからのサポートが感じられるようになりました。僕の言葉にもっと耳を傾けてくれるようになったので、フィードバックに力を入れて、チームあるいはクルマを改善するための方法や欠点といった事を、具体的にどう伝えるかについて考えるようになりました」
「ピエールがやっていたことを自分なりのやり方でなぞっているわけですが、今のところチームは満足してくれていますし、シーズンを通して大きく前進する事ができています」
「ライバルチームほどではないかもしれず、それは悔やまれるところですが、それでもこれまでのステップアップの程度については満足しています。一貫性を発揮して良いパフォーマンスを示すことができていますし、それが大切です」