アルファタウリ、F1シンガポールでAT04大規模改良…最強RB19の空力哲学を追従
スクーデリア・アルファタウリは今週末のシンガポールGP(9月15~17日)で、角田裕毅とおそらくはリアム・ローソンがドライブする「AT04」に対して、今季最強最速のレッドブル「RB19」の空力哲学に沿う大規模アップグレードを投入する。
シニアチームのレッドブルは開幕15戦で完全無欠試合を展開。両チャンピオンシップの制覇はほぼ確実な情勢で、フェラーリやメルセデスを含むライバルチームは独自路線を放棄してレッドブル型のデザイン・フィロソフィーを取り入れ始めた。
英「PlanetF1」とのインタビューの中でアルファタウリのピーター・バイエルCEOは、マリーナベイ市街地コースでRB19の空力哲学に沿う「大規模なアップグレードを予定している」と明かした。
これはシンガポールや日本を含む残りのシーズンに向けた競争力の改善に留まるものではなく、更なるシナジー効果の追求に向けてレッドブルとの技術協力関係を強化する2024年を念頭に置いた改良でもあるようだ。
バイエルは「今シーズンは突如としてアストンマーチンが浮上し、これにマクラーレンが続くという驚くべき競争力の変化があった。ただこれは実際には、新しいダウンフォース規定においてレッドブル・レーシングが採用したデザイン哲学が正しいものであったと誰もが理解したことによるものだと思う」と語る。
「我々もシンガポールに向けて大規模なアップグレードを予定しているが、これは同じ哲学に基づいたものだ。そのため、みんながこの点に注目しているし、来シーズンは熾烈な接戦になると考えている」
アルファタウリは例年、レッドブル・アドバンスト・テクノロジーを通して兄貴チームのコンポーネントを購入しているが、2023年シーズンに関しては例えば独自のプッシュロッド式フロントサスペンションを採用するなどトランスファラブル・コンポーネント(TRC)を最大限に利用しておらず、むしろ逆にレッドブルへの依存度を下げる方針を採った。
そんな今季は開幕15戦を終えてコンストラクターズ選手権最下位という厳しい状況にあり、来季に向けて方針を転換し、2024年型「RB20」の広範な領域を踏襲する計画だ。
バイエルは「予算上限や技術規定が存在するため、姉妹チームや兄弟チームのような立場になることはできず、独立した一つのF1チームとして存在する必要がある」と語る。
「我々は思春期を経て、自らの足で歩き始めるというプロセスを通じて成長する必要があるが、これはもちろん、家族からの支援を得ることと矛盾するものではない。それこそが我々が達成すべきことだと考えている」
「我々は従来、これを行ってこなかったが、これからは技術協力を活用していきたいと考えている」
「今はもう広く知られていることだが、昨今のサスペンションの重要性を考えると、流用が許されているサスペンションを使用しなかったのは単に誤りだった」