サインツ戒告「危険」誘発でフェラーリに懲罰…ピアストリとのF1オランダGPニアミス事件を受け
ザントフォールト・サーキットで行われた予選Q1で発生したオスカー・ピアストリ(マクラーレン)とのニアミスを受け、F1オランダGPのスチュワードはカルロス・サインツを戒告処分とすると共に、フェラーリに5,000ユーロ(約79万円)の罰金を科す決定を下した。
Q1残り6分の時点でタイムシートのトップに立ったピアストリは、クールダウンラップに入り低速でターン1へと向かった。するとサインツがピットレーンからコースに進入。ターン2に向けてレーシングライン上に移動した。
ピアストリは回避行動を強いられ、クルマの一部がコース外の芝生の上に追いやられる格好となった。
両ドライバー及びチーム代表者からの聴取並びに、ポジショニング/マーシャリングシステムのデータ、映像、オンボードを調査したデレック・ワーウィックら4名の競技審判団は、「潜在的に危険な動き」と判断。ピアストリの回避行動がなければ「間違いなく」クラッシュに至っていたと結論づけた。
サインツの直前にコースインしたバルテリ・ボッタス(アルファロメオ)はチームからの無線でピアストリの接近を知らされていたが、フェラーリがサインツに警告したのは「ピット出口で白線を越えるな」との内容のみで、横並びになるまで警告はなかった。
聴聞会の中でサインツは、ピット出口でピアストリの存在を確認し、スローラップ中と判断したと説明した。だがそれ以降はクルマの位置関係上、ピアストリを見ていなかったと認めた。
これによりサインツは2023年シーズンで初めてドライビングに関する戒告を受けた。
サインツに対して、後続車両の存在について適切に警告しなかったためにフェラーリが罰金を科せられるのは珍しいことではない。
昨年のモナコGPでフェラーリは、サインツに対して「著しく不正確なメッセージ」を伝えたとして、2万5,000ユーロという異例とも言うべき厳しい罰金を科された。
サインツはモンテカルロ市街地コースで行われたFP3で、ランス・ストロール(アストンマーチン)の走行を「不必要」に妨害したと見なされた。スチュワードによるとサインツは、後続車両とのギャップに関してチームから「著しく誤ったメッセージ」を伝えられていた。
2023年F1オランダGP予選ではマックス・フェルスタッペン(レッドブル)がポールポジションを獲得。2番手にランド・ノリス(マクラーレン)、3番手にジョージ・ラッセル(メルセデス)が続く結果となった。角田裕毅(アルファタウリ)は3グリッド降格を受け17番グリッドに着く。
決勝レースは日本時間8月27日(日)22時にフォーメーションラップが開始され、1周4,307mのザントフォールト・サーキットを72周する事でチャンピオンシップを争う。レースの模様はDAZNとフジテレビNEXTで生配信・生中継される。