ドイツのケルンに位置するトヨタ・モータースポーツGmbHYの風洞施設、2019年5月20日 (2)
Courtesy Of TOYOTA MOTOR CORPORATION

トヨタ、風洞契約終了もマクラーレンF1との関係継続へ

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トヨタは独ケルンにあるToyota Gazoo Racing Europe(TGR-E)の風洞契約終了後も、ランド・ノリスとオスカー・ピアストリ擁するマクラーレンF1チームとの協力関係を継続するようだ。

マクラーレンはTGR-Eのサポートを受け、2011年の優勝マシンである「MP4-26」 から今季型「MCL60」まで、過去12年に渡って歴代F1マシンの開発を進めてきたが、8月中に自社製風洞に切り替える予定だ。

ハンガロリンクを周回するオスカー・ピアストリ(マクラーレン)、2023年7月22日F1ハンガリーGP 2日目Courtesy Of Pirelli & C. S.p.A.

ハンガロリンクを周回するオスカー・ピアストリ(マクラーレン)、2023年7月22日F1ハンガリーGP 2日目

ケルンは英国ウォーキングのファクトリーから地理的に離れているため、費用対効果が悪く、また車体開発スピードのロスが大きかった。そのためマクラーレンは前代表アンドレアス・ザイドルの下、自前の風洞設備の建設を決断。今年、完成を迎えた。

ただ英「Autosport」によるとTGR-Eのマネージング・ディレクターを務めるロブ・ロイペンは「マクラーレンに対する我々のドアは開いたままだ」と述べ、引き続き名門F1チームを支援していくと説明した。

「マクラーレンがTGR-Eに求めるサービスや、彼らのエンジニアがケルンに滞在する頻度は当然変わるが、我々はオープンに話し合い、彼らの新しい風洞を開発プログラムに統合するプロセスにおいて建設的な役割を果たしている」

「この活動を通じて、TGR-Eがトップレベルのエンジニアリング・プロジェクトに長期的な価値を付加できることを明確に示せたと思う。マクラーレンのような革新的な企業を支援することを楽しみにしている」

マクラーレンのチーム代表を務めるアンドレア・ステラは、現在、新しい風洞の試運転に取り組んでいる事を明かし、「TGR-Eの貴重なサポートに感謝したい」と付け加えた。

2012年よりマクラーレンはケルンに専用の作業エリアを設け、スタッフを常駐させた。データはプライベートネットワークと別個のインターネット接続を介して英国の拠点に送信され、TGR-Eの支援を受け開発されたマシンは2011年から2023年の間に優勝14回、表彰台29回を獲得した。

ドイツのケルンに位置するトヨタ・モータースポーツGmbHYの風洞施設、2019年5月20日 (1)Courtesy Of TOYOTA MOTOR CORPORATION

ドイツのケルンに位置するトヨタ・モータースポーツGmbHYの風洞施設、2019年5月20日 (1)