レッドブルF1、ペレスの事故で泣き出した男の子に粋な計らい…笑顔を与えスペアを失った”ルーキーエラー”
F1ハンガリーGPのFP1で発生したセルジオ・ペレスのクラッシュを経てレッドブルは、スタンドで泣きじゃくっていたファンの男の子にVIPパスを贈り、ガレージに招待した。
事故はオープニング・セッションの開始直後に発生した。グリーンフラッグから僅か3分、雨が降り出す前のターン5でペレスはホイールを芝生に落すミスを犯してスピン。バリアに衝突したRB19は大きく損傷した。
よほどショックだったのか、テレビカメラはスタンド席に座るペレス仕様のTシャツを着た父親の脇で泣きじゃくる男の子の姿を捉えた。
するとレッドブルはこの子を見つけ出してガレージに招待。ペレス本人が二人を握手で出迎えた。
笑顔を取り戻した男の子はガレージ内でタイヤやステアリングに触れたり、セッションを観戦したりと、一生の思い出を作る事となった。
この事故はファンの親子に笑顔を与えたが、失ったものも大きかった。
独「Motorsport Magazin」によるとレッドブルのモータースポーツ・アドバイザーを務めるヘルムート・マルコは、アップグレード・パッケージのスペアが残り1台分である事を明かした。
無論、残りの1セットはマックス・フェルスタッペンの1号車用だろう。ペレスにはこの週末にこれ以上ミスをする余裕はないという事だ。
ペレスはこれまでのキャリアで高い一貫性を発揮してきた。それだけに今回のクラッシュは、元F1ドライバーで英「Sky Sports」の解説者を務めるマーティン・ブランドルを大いに失望させた。
今回のペレスのミスについて1990年のル・マン24ウィナーは、今年のサウジアラビアとアゼルバイジャン、そして昨年のシンガポールでのペレスの「輝かしき勝利」に触れ、「私には理解できない。あれはルーキー・エラーだ」と述べ、これまでのキャリアからは考えられない失態だと指摘した。