角田裕毅「Q2は可能だった」赤旗に翻弄され0.076秒及ばず…アプグレ徐々に機能、効果実感で決勝挽回へ
8日(土)のF1イギリスGP公式予選を16番手で終えた角田裕毅(アルファタウリ)は、Q2進出は可能だったとの考えを示した。また、アップグレードの効果を実感し始めた事を明かし、決勝レースでの挽回を誓った。
角田裕毅が10番手タイムを刻んだ直後、ケビン・マグヌッセン(ハース)が油圧系統の問題に見舞われコース上で停止した。Q1は残り3分11秒で赤旗が振られる事態となった。
セッション再開後、18番手にまで後退したところから再び10番手タイムを刻んだが、ダンプ路面が徐々に乾いていく中、角田裕毅より後にフライングラップを開始したライバル達が続々とタイムを更新。15番手フェルナンド・アロンソ(アストンマーチン)に1000分の76秒及ばずQ1敗退を喫した。
クルマを降りた角田裕毅は「もちろんQ2を目指していましたし、それは可能だったと思います。ですがタイミングが本当にタイトで、最終的には僅差で逃してしまったので本当に悔しいです」と振り返った。
テクニカル・ディレクターを務めるジョディ・エギントンは赤旗に翻弄されたと感じている。
「Q1は2台共にスムーズなセッションだった。適切なタイヤを装着し、プッシュラップとクールラップを順序正しく行い、新しいタイヤに履き替えるためのピットストップのタイミングも賢明だった」
「だがレッドフラッグが事態を混乱させ、残念ながら最終のランは十分なものとはならなかった」
「苛立たしいことにユーキはQ2進出を目前にしていたものの、ブレーキエントリーの際にスナップしてしまい、ターン16で少しタイムをロスしてしまった」
ニック・デ・フリースも19番手と、アルファタウリはダブルQ1敗退を喫する事となった。不本意なリザルトである事は疑いないが、それでも角田裕毅は自身の走りに満足しているという。
「またしてもQ2まで後少しというところで終わってしまいました。悔しいですし残念ですが、自分のパフォーマンスには満足しています」と角田裕毅は語る。
「路面の進化は大きく、最終的には殆ど完全なドライコンディションでしたが、チームは戦略面で上手くやってくれました」
アルファタウリはシルバーストン・サーキットに、低速及び高速域でのコーナリング性能の改善を目的とした意欲的なアップグレードを持ち込んだ。
変更箇所はフロアボディ、フロアフェンス、フロアエッジ、ディフューザー、エンジンカバー周りのボディーワーク、リア・サスペンション、リアウイング、そしてビームウイングと、非常に多岐に渡る。
初日を終えて角田裕毅はあまり手応えを得た様子を見せていなかったが、エンジニアたちは一晩のデータ解析を経て、パフォーマンスを引き出す術を徐々に理解し始めたようだ。
「今回持ち込んだ新しいアップグレードで色々な事を試してみましたが、昨日と比べるとクルマのフィーリングが良くなっていました」と角田裕毅。
「必要としていたエリア、特に低速コーナーで改善を感じましたし、目指していた高速コーナーでは回頭性が向上したように思います」
「改善の余地はありますが、今はまだクルマの挙動に対する理解を深めようとしている段階です」
予選15番手のバルテリ・ボッタスが失格処分となったため、17番手でフィニッシュした角田裕毅は一つ昇格となり、決勝レースを16番グリッドからスタートする。
エギントンは「スタートポジションの関係で厳しいレースが予想されるが、2台揃って前進できるよう、あらゆるチャンスを逃さぬよう万全を期していく」と述べ、角田裕毅は「クルマからできるだけ多くのパフォーマンスを引き出し、可能な限り上位でフィニッシュできるよう、明日に向けて気持ちを切り替えて全力を尽くすつもりです」と巻き返しを誓った。
2023年F1イギリスGP予選ではマックス・フェルスタッペン(レッドブル)がポールポジションを獲得。2番手にランド・ノリス、3番手にオスカー・ピアストリが続き、マクラーレンが地元ファン喝采の好成績を収めた。
決勝レースは日本時間7月9日(日)23時にフォーメーションラップが開始され、1周5891mのシルバーストン・サーキットを52周する事でチャンピオンシップを争う。レースの模様はDAZNとフジテレビNEXTで生配信・生中継される。