F1に投資マネー殺到、3チームに株取得提案か…評価額1400億円超
アルピーヌF1チームの評価額に9億ドル(約1,291億円)の値がついた。3年前であれば約6分の1の費用で済んだ可能性があるが、それでもハリウッド俳優のライアン・レイノルズを含む米国の投資家グループにとってはお買い得な取引だったと言えそうだ。
F1チームの価値はここ数年、上昇の一途を辿っている。米国の投資会社ドリルトン・キャピタルが2020年にウィリアムズを買収した際にかかった費用は1億5,200万ユーロ(当時のレートで約189億6,700万円)に過ぎなかった。
それでも米国の投資家グループが今回、アルピーヌ・レーシング社の株式24%に支払った費用は割安だと考えられる。
F1のステファノ・ドメニカリCEOは先日、幾つかのF1チームに対して、日本円に換算して約1,500億円以上という途方もない金額が提示されたと明かした。
この情報を裏付けるように独「AMuS」は、過去数ヶ月間で3つのチームに株式購入のオファーがあったと伝えた。いずれもチームの評価額は10億ドル(約1,435億円)以上であったが、3チームとも揃って拒否したとされる。
興味深いことにその中の一つはウィリアムズだと伝えられている。ドリルトンにとっては一つの売り時であっただろうが、提案を受け入れることはなかった。チームの価値が更に上昇すると見ているのだろう。
買い手候補の中には、かつてレッドブルに提携を拒絶されたポルシェも含まれていたようだ。古くからF1に参戦している、とあるチームの50%株に5億ドル(約717億円)を提示したが、この取引が実る事はなかったとされる。
現行グリッドに着く10チームは、新規チームに対して課せられる2億ドル(約286億円)の希薄化防止料を”最低”でも3倍の6億ドル(約861億円)に増やすよう執拗に要求していると考えられている。
あまりに法外な金額だと見なされれば欧州連合競争法などの関連法に抵触する可能性もあるわけだが、チームの価値に関するここ数ヶ月の知らせを眺める限り、新たなコンコルド協定に盛り込まれる希薄化防止料が以前と同じという可能性は皆無のように思われる。