ホンダジェットに新型、軽量機世界初のノンストップ米大陸横断…2028年製品化で1クラス上のカテゴリーに参入
ホンダの航空機事業子会社、米国本拠のホンダ・エアクラフト・カンパニー（HACI）は現地6月13日、2028年に向けて新型小型ビジネスジェット機の製品化を決定したと発表した。優れた燃費効率により、ライトジェット機としては世界で初めてノンストップでのアメリカ大陸横断が可能になるという。
これはネバダ州ラスベガスで開催された2021年のビジネス航空機ショー、NBAAにて発表されたコンセプト機「HondaJet 2600 Concept」をベースとしたもので、顧客からの高い評価を得ると共に「ニーズの高さを確信」したことから2028年に向けた製品化が決定された。
HACIにとっては現行のベリーライトジェット機「HondaJet Elite II」に続く製品で、1クラス上のライトジェット機カテゴリーへの参入となる。既にエンジン、アビオニクス、胴体などの主要サプライヤーとの契約が締結された。
| エンジン | Williams FJ44-4C |
|---|---|
| アビオニクス | Garmin G3000 |
| 最大定員 | 乗員1名＋乗客10名 または乗員2名＋乗客9名 |
| 航続距離 | 2,625 ノーティカルマイル NBAA IFR Range, 1乗員+4乗客 |
| 最大巡航速度 | 450ノット（目標） |
| 最大運用高度 | 47,000フィート（目標） |
ライトジェットへの参入についてHACIの山﨑英人取締役社長は「Hondaの新領域である『空のモビリティ』への新たなチャレンジ」であるとして、「これまでに培ってきたHonda独自の航空機向け先進技術のノウハウを生かし、持続可能な社会の実現と人々の生活の可能性を拡げる喜びを提供していきたいと思います」と述べた。
新型小型ビジネスジェット機は、ホンダ独自の技術である主翼上面エンジン配置、自然層流翼型・ノーズ、コンポジット胴体を更に進化させる事で、最大11名の乗員・乗客の搭乗を確保する。
また、通常のライトジェット機より20％、中型ジェット機に対して40％以上、燃費を向上させることで、ライトジェット機として世界で初めてノンストップでのアメリカ大陸横断が可能になるという。
さらに、パイロット1名での運用を想定しているほか、長距離飛行にも適した広いキャビン空間と優れた静粛性を実現するとしており、2028年頃のアメリカ連邦航空局（FAA）型式証明取得に向けて、今後開発を進めていくという。
