アルファタウリF1:角田裕毅の損傷とバクーでの競争力、トスト退任を語るマルコ・ペローネ
スクーデリア・アルファタウリのスポーティング・ディレクターを務めるマルコ・ペローネによると、F1アゼルバイジャンGPのFP1で角田裕毅が負った車体ダメージはタイヤとリムに留まらなかったものの、かなり軽微なものだったようだ。
4週間の休みを経て、前戦オーストラリアでの入賞の勢いを継続すべく週末最初のセッションに臨んだ角田裕毅は、開始早々にスピンを喫してターン3のウォールに衝突。タイヤとホイールリムを破損し、修復と調査のために走行時間を失った。
一昨年まで戦略部門の責任者を務めていた40歳のイタリア人エンジニアは「リアエンドプレートに幾つかの損傷があったが、5分後にコースに戻す事ができた」と述べ、予選に向けては何も問題がなかったと説明した。
2日目のシュートアウトでは不運にも赤旗の餌食となり、18番手と下位に沈んでニック・デ・フリース共々SQ1敗退という厳しい結果に終わったが、それでも改良されたAT04は間違いなく一歩前進した様子が見て取れる。
アルファタウリは第4戦で最も意欲的なアップグレードを投じたチームの一つだった。フロントウイングやエンジンカバー、リアウィングやビームウイングなど、多くは課題のドラッグ低減を狙ったもので、中には新型のリア・ブレーキ・ドラム等、パフォーマンスの底上げを狙ったものもあった。
アップグレードの効果について角田裕毅は、そもそもバクーは過去数年間に渡ってアルファタウリが得意としてきたコースであり「現実的」になる必要があるとしながらも、少なくともトップスピードという点では「かなり上手く機能している」との認識を示した。
ペローネはこの点について「かなりコンペティティブと思う」と述べ、ストレートライン速度の向上は「前向きだ」と述べた。
アルファタウリにとってアゼルバイジャンGPは、チーム設立当初からプリンシパルを務めてきたフランツ・トスト退任ニュース後初のレースウィークとなった。
ペローネは「彼は常にそこにいて、いつだって手を差し伸べてくれる存在なんだ。どんなときでも彼に質問する事ができるし、彼の存在は本当に大きい」として、「本当に、本当に寂しくなると思う」と語った。
ペローネ曰く、トストはチーム代表として「本当に多くの資質」を持つ人物だ。「公平に言って彼は本当に率直で、かなり明快だ。実際、素晴らしい関係を築いているし、彼との仕事は本当に楽しい」とペローネは指摘した。
後任のローラン・メキースは2008年にアルファタウリの前身、トロロッソでF1キャリアをスタートさせたペローネにとってのかつての同僚にあたる。
ペローネは「2011年から2014年まで仕事をした間柄だ。つまりキャリア初期の数シーズンに渡って共にピットウォールにいたんだ。私が戦略エンジニアになった時、彼は私のチーフ・レースエンジニアだった」と述べ、メキースの古巣復帰は「かなり良い感じだと思う」と付け加えた。