F1バーレーンGP 決勝グリッドとタイヤ戦略考︰レッドブルとウィリアムズは決め打ちか
日本時間3月5日(日)24時にスタートを迎える2023年シーズンの初戦、F1バーレーンGPのスターティング・グリッドが発表された。予選結果からの変動および、予想されるタイヤ戦略を見ていこう。
2023年F1バーレーンGP 決勝グリッド
初戦という事でパワーユニットやギアボックス交換に伴うグリッド降格があろうはずもなく、競技レギュレーション違反によるペナルティも罰金が1件あったのみで、予選結果とグリッドに違いはない。
ポールポジションに着くのはマックス・フェルスタッペン。最前列2番グリッドには僚友セルジオ・ペレスが並び、レッドブルが最前列を独占する。2列目にはフェラーリの2台が続く。
レッドブル対フェラーリの争いが期待されるところだが、レッドブルのモータースポーツ・アドバイザーを務めるヘルムート・マルコはデグラデーションが大きい跳馬ではなく、5番グリッドのフェルナンド・アロンソ(アストンマーチン)が直接のライバルになると考えている。
Pos | Driver | Team | Qualifying |
---|---|---|---|
1 | M.フェルスタッペン | レッドブル | 1(-) |
2 | S.ペレス | レッドブル | 2(-) |
3 | C.ルクレール | フェラーリ | 3(-) |
4 | C.サインツ | フェラーリ | 4(-) |
5 | F.アロンソ | アストンマーチン | 5(-) |
6 | G.ラッセル | メルセデス | 6(-) |
7 | L.ハミルトン | メルセデス | 7(-) |
8 | L.ストロール | アストンマーチン | 8(-) |
9 | E.オコン | アルピーヌ | 9(-) |
10 | N.ヒュルケンベルグ | ハース | 10(-) |
11 | L.ノリス | マクラーレン | 11(-) |
12 | V.ボッタス | アルファロメオ | 12(-) |
13 | 周冠宇 | アルファロメオ | 13(-) |
14 | 角田裕毅 | アルファタウリ | 14(-) |
15 | A.アルボン | ウィリアムズ | 15(-) |
16 | L.サージャント | ウィリアムズ | 16(-) |
17 | K.マグヌッセン | ハース | 17(-) |
18 | O.ピアストリ | マクラーレン | 18(-) |
19 | N.デ・フリース | アルファタウリ | 19(-) |
20 | P.ガスリー | アルピーヌ | 20(-) |
決勝レースはDAZNとフジテレビNEXTで完全生配信・生中継される。
想定されるタイヤ戦略と天気
バーレーン・インターナショナル・サーキット(BIC)を57周する事で争うF1バーレーンGPは例年、2ストッパーが主流となるが、この傾向は今年も変わらなそうだ。
BICの舗装には荒れたイギリス産の花崗岩が使われており、レイアウトと相まってリアタイヤのデグラデーションが課題となる。1ストッパーは現実的とは言えない。
ピレリのシミュレーションによると、理論上最も速いのはソフト、ハード、ソフトと繋ぐ2ストッパーだ。手持ちのセットによっては最終スティントをハードにするのも一手だが、ソフトの方が若干速いという。
レッドブル勢とウィリアムズ勢は、ほぼ確実にソフト、ハード、ソフトの2ストッパーを狙ってくるものと思われる。新品、中古を含めてハードが1セットしか残っていないためだ。
最初のピットウインドウは15~20周、2回目のウインドウは35~40周と予想される。第1スティントを20周以上引っ張れば1ストッパーが見えてくる。
特に上位グリッドはソフトスタートが予想される。基本的に他のコンパウンドを選ぶとスタートでポジションを落としかねず、挽回するのは非常に難しい。
ピレリは原則としてミディアムタイヤを推していない。ソフトには性能的なアドバンテージがあり、ハード=新型C1はデグラデーション的に有利だが、ミディアムはどっちつかずと見なしている。
投入があるとすれば、レースの進行に合わせてデグラデーションが収まっていく場合だろう。路面次第、といったところか。
注目ポイントの一つは、スタートでハードタイヤを選択する者があるかどうかだろう。失うものがなく、オーソドックスな戦略での入賞は難しいと考えるチームは、ギャンブルに打って出るかもしれない。
週の初めこそ雨が振ったようだが、週末は天候が安定しており、ドライコンディションのレースが予想される。予選と似たような気温、路面温度になる見通しだ。