ダニエル・リカルド(マクラーレン)とハースF1チームのギュンター・シュタイナー代表、2022年
Courtesy Of McLaren / Haas

ハースのF1シートが欲しいなら自ら電話を、とシュタイナー代表…ダニエル・リカルドに呼びかける

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2022年末を以てグリッドを去る事が確実視されるダニエル・リカルドについてギュンター・シュタイナー代表は、自分から連絡を取るつもりはないため、2023年のハースのF1シートを望むのであれば自ら電話を寄越すようにと呼びかけた。

33歳のオーストラリア人ドライバーは2024年末までマクラーレンと契約を結んでいたものの、同郷の後輩、オスカー・ピアストリにシートを奪われる格好となり、2023年に向けてフリーエージェントとなった。

オスカー・ピアストリとダニエル・リカルド、2022年Courtesy Of Alpine Racing / McLaren

オスカー・ピアストリとダニエル・リカルド、2022年

ピエール・ガスリーのアルピーヌ移籍と、ニック・デ・フリースの来季アルファタウリ入りが決定した事で、現在シートに空きがあるのはハースとウィリアムズのみだ。

ハースの指揮官はF1アメリカGPを週末に控えた17日(月)、AP通信とのインタビューの中で「私の方から彼を追いかけるつもりはない」とした上で、「もし我々に興味を持っているなら、彼はためらわずに私に電話をかけるだろう」と語った。

シュタイナー代表は以前もRTLとのインタビューの中で、本人にやる気がないのであれば説得する意味も、契約を結ぶ意味もないとして、シートを求めるのであれば自ら連絡を寄越すようにと呼びかけている。

リカルドは来年、サバティカル休暇を取る可能性を強く示唆しており、ルイス・ハミルトンの引退によって将来的にシートに空きが生じ得るメルセデスのリザーブドライバーの座を狙っているものと見られている。

これについて、リカルドと親交が厚い2009年のF1ワールドチャンピオン、ジェンソン・バトンは、メルセデスのトト・ウォルフ代表とハミルトン本人が最近、向こう5年の契約更新を口にした事を引き合いに出し、考えを改めるべきだと忠告した。

シートを奪われる形になったとは言え、リカルドは依然として実力・人気共にグリッドの中でトップレベルと見なされており、去就を巡っては各方面から様々な意見が飛び交っているが、シュタイナー代表はリカルドに対し、第3者の意見に惑わされず、まずは自分自身がどうしたいのかという事に向き合うべきだとアドバイスした。

「私は彼に、何かを言いくるめられる前に、まず自分のために何をしたいかを決めてほしいと思っている。彼は良いドライバーだと思う」

「今のような状況に置かれた理由については分からないが、彼は自分自身と正面から向き合い、何をするかを決める必要があると思う」

シュタイナー代表は、リカルドからアプローチがあれば積極的に起用を検討する心積もりのようだ。

「彼が来れば我々にとっては大ヒットとなるだろう。彼はレースウィナーだが、今は仕事がない」とシュタイナー代表は語る。

「彼は去年もレースで優勝したばかりだ。私は彼をドライバーとして評価している。ただ、なぜ今パフォーマンスを発揮できていないのかは分からない。それは彼が考えなければならない事だ」

トップチームの席を追われて中団チームに下がり、その後再び、優勝を争えるほど競争力が高いチームに返り咲いたドライバーは過去にあまり例がない。

だが同時に、リザーブドライバーとしての浪人生活を経てレギュラーシートを獲得できたドライバーもまた数少ない。いずれにせよ、リカルドの先に続くのは困難な道程だ。

来季のハースのシートには、現行のレギュラードライバー契約を持つミック・シューマッハの他、アントニオ・ジョビナッツィやニコ・ヒュルケンベルグの名が取り沙汰されている。