2023年に向けてダニエル・リカルドの古巣復帰を検討していたアルピーヌ
アルピーヌF1チームのオトマー・サフナウアー代表は2023年に向けて、ダニエル・リカルドの復帰を検討していた事を明かした。
今夏の騒動の主役、アルピーヌは僅か数日の間にフェルナンド・アロンソとオスカー・ピアストリの両名を失った後、日本GPの予選当日にピエール・ガスリーとの複数年契約を発表した。
リカルドは2018年末を以てレッドブルを離脱。2019年に中長期的なチームの大黒柱としての役割を期待され、当時「ルノー」を名乗っていた英国エンストンのチームに移籍した。
だが、2020年シーズンの開幕を前にマクラーレンへの移籍を発表。首脳陣、特にルノー・グループのルカ・デメオCEOはリカルドに対する不信感を募らせたと伝えられている。
あれから2年。ルカ・デメオCEOは今も健在だが、チーム代表を務めていたシリル・アビテブールは解雇され、ローラン・ロッシがCEOに着任するなど、アルピーヌの上層部の顔ぶれは刷新された。
ピアストリにシートを奪われ来季の見通しが立たないリカルドにとって、移籍先として最も競争力が期待できるのは古巣であったが、復帰が実現することはなかった。
サフナウアー代表は「当初はダニエルを含めた何人かのドライバーと話をしていた」と述べ、リカルドとの交渉があった事を認めつつも、レッドブルが条件次第でガスリー放出を認めた事で候補から脱落したのだと説明した。
「ただ経験豊富で、速く、若いという条件を満たしたピエールの可能性が出たことで、我々は候補を更に絞り込んだんだ」
アルピーヌとガスリーとの交渉はアロンソ離脱発表から程なくして行われた。
「1週間くらいだっただろうか。それ未満だったかもしれない」とサフナウアー代表は振り返る。
「契約上の問題でオスカーが100%確実ではないと思われた際、候補者リストの作成に取り掛かった。その中にピエールも入っていたんだ」
アルピーヌのシートが埋まった事で、2023年に向けた残りのシートはハースとウィリアムズの各1席を残す事となった。
ウィリアムズはF2ドライバーのローガン・サージェント、ハースはニコ・ヒュルケンベルグが有力候補と見られており、リカルドは2023年にF1でレースをする可能性は殆どないと認めている。