周冠宇のマシンをガレージに運び込むアルファロメオのピットクルー、2022年7月23日F1フランスGP
Courtesy Of Alfa Romeo Racing

F1フランスGP決勝グリッドとタイヤ戦略考︰温存タイヤに透けて見える各車の狙い、対照的なレッドブルとフェラーリに注目

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7月24日(日)の日本時間22時よりポール・リカール・サーキットで開催されるF1第12戦フランスGPの暫定スターティング・グリッドが発表された。予選結果からの変動および決勝のタイヤ戦略を見ていこう。

今週末もフェラーリF1パワーユニット勢のコンポーネント交換が目立った。これはイギリス、オーストラリアに続く3週末連続の傾向だ。

エンジンブローによって前戦オーストリアGPをリタイヤしたカルロス・サインツ(フェラーリ)と、同じくフェラーリ製PUを搭載するケビン・マグヌッセン(ハース)は超過交換に伴いグリッド最後尾スタートが命じられた。

ルイス・ハミルトンとジョージ・ラッセルのメルセデス勢に加え、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)、ランド・ノリス(マクラーレン)、周冠宇(アルファロメオ)も交換を行ったが、この5名は規定基数内の交換だった。

ギアボックスに関しては以下の3名が、3基目のケース及びカセット、そして同じく3基目の駆動部品・ギアチェンジ・補助部品を新たに開封したが、いずれも規定基数の範囲内だった。参照:F1レギュレーション解説「ギアボックス編」

  • カルロス・サインツ(フェラーリ)
  • フェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)
  • 角田裕毅(アルファタウリ)

サインツとマグヌッセンの降格に伴い、予選11番手のダニエル・リカルド(マクラーレン)以降の全てのマシンが各々2つずつ昇格する形となった。

想定されるタイヤ戦略

理想は1ストッパーだ。ピットレーンの制限速度が時速60kmに引き下げられたことで、1回のピットストップにかかるロスタイムが約27秒にまで増えたためだ。

ただ、決勝が行われる日曜の現地ル・カステレは予選が行われた土曜よりも更に気温が上昇する予報で、デグラデーションが悪化する可能性があり、現実的にはかなり難しいものと思われる。

実際、ピレリのモータースポーツ部門を率いるマリオ・イゾラは「理論的にはミディアムからハードへの1ストッパーが最速だが、殆どのチームがミディアムとハードを組み合わせた2ストッパーを採用すると思う」と語っている。

ピレリのモータースポーツ部門を率いるマリオ・イゾラ、2022年7月23日のF1フランスGP土曜FIA会見にてCourtesy Of Pirelli & C. S.p.A.

ピレリのモータースポーツ部門を率いるマリオ・イゾラ、2022年7月23日のF1フランスGP土曜FIA会見にて

2ストッパーの場合、ミディアム/ハード/ミディアム、あるいはミディアム/ハード/ハードの組み合わせが予想されるが、これは各マシンの手持ちタイヤに依存する事になる。

ミディアムを2セット温存しているのは以下の4名だ。

  • シャルル・ルクレール(ポール)
  • カルロス・サインツ(19番手)
  • アレックス・アルボン(13番手)
  • ニコラス・ラティフィ(18番手)

逆にハードタイヤを2セット温存しているのは13名だ。

  • レッドブル(2番手フェルスタッペン / 4番手ペレス)
  • メルセデス(4番手ハミルトン / 6番手ラッセル)
  • アルピーヌ(7番手アロンソ / 10番手オコン)
  • アルファタウリ(8番手 角田裕毅 / 14番手ガスリー)
  • アルファロメオ(11番手ボッタス / 16番手 周冠宇)
  • ハース(17番手シューマッハ / 20番手マグヌッセン)
  • ランド・ノリス(4番手)

ダニエル・リカルド(9番手)、セバスチャン・ベッテル(12番手)、ランス・ストロール(15番手)の3名はハードとミディアムが各々1セットしか残っていない。1ストッパーの可能性がありそうだ。

レッドブルとフェラーリが異なる戦略を採る可能性がある点は見逃せない。1ストッパーでないとすれば、ポールシッターのルクレールはミディアムを2セット、2番手フェルスタッペンはハードを2セット投じる事になる。戦略の違いが勝敗を分ける事になるのだろうか?

ミディアムスタートの場合は13~18周目、ハードスタートの場合は28~35周目が最初のピットストップの目安となる。

2022年F1フランスGP 決勝グリッド

以下は暫定のスターティンググリッド。決勝直前に発表される正式版との差異が発生した場合は更新される。

53周で争われるF1フランスGPの決勝レースは7月24日(日)現地15時、日本時間22時にフォーメーションラップが開始される。日本ではDAZNフジテレビNEXTで生放送・ライブ配信される。

Pos No Driver Team Qualifying
1 16 C.ルクレール フェラーリ 1(-)
2 1 M.フェルスタッペン レッドブル・RBPT 2(-)
3 11 S.ペレス レッドブル・RBPT 3(-)
4 44 L.ハミルトン メルセデス 4(-)
5 4 L.ノリス マクラーレン・メルセデス 5(-)
6 63 G.ラッセル メルセデス 6(-)
7 14 F.アロンソ アルピーヌ・ルノー 7(-)
8 22 角田裕毅 アルファタウリ・RBPT 8(-)
9 3 D.リカルド マクラーレン・メルセデス 11(+2)
10 31 E.オコン アルピーヌ・ルノー 12(+2)
11 77 V.ボッタス アルファロメオ・フェラーリ 13(+2)
12 5 S.ベッテル アストンマーチン・メルセデス 14(+2)
13 23 A.アルボン ウィリアムズ・メルセデス 15(+2)
14 10 P.ガスリー アルファタウリ・RBPT 16(+2)
15 18 L.ストロール アストンマーチン・メルセデス 17(+2)
16 24 周冠宇 アルファロメオ・フェラーリ 18(+2)
17 47 M.シューマッハ ハース・フェラーリ 19(+2)
18 6 N.ラティフィ ウィリアムズ・メルセデス 20(+2)
19 55 C.サインツ フェラーリ 9(-10)
20 20 K.マグヌッセン ハース・フェラーリ 10(-10)

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