インディ500を含めた世界3冠に興味がないフェルスタッペンとペレス、ボソッとつぶやくサインツ / 会見書き起こし
モータースポーツ界にとって1年の中で最も重要な日の一つ、5月29日が終わった。同日に行われた世界三大レースの一つ、F1モナコGPではセルジオ・ペレス(レッドブル)が優勝を飾り、インディ500ではマーカス・エリクソン(チップ・ガナッシ)が106回大会のチャンピオンに輝いた。
モンテカルロでのレース会見の一番最後には、トップ3フィニッシャーに対してル・マン24時間レースとインディ500を含めた3冠、いわゆる”トリプルクラウン”への将来的な挑戦の可能性について質問が飛んだ。
3位のマックス・フェルスタッペンとペレスは各々モナコで1勝を挙げており、残るはインディ500とル・マンだが、ペレスは子育てを、フェルスタッペンは命の危険を理由に、興味がないと説明した。
両者はル・マン24時間レースに関しては参戦の可能性を認めつつも、世界最速のレースには全くの無関心で、モナコを含めてまだ未勝のカルロス・サインツ(フェラーリ)は終始、無関係を装った。
以下、プレスカンファレンスでの質疑の様子を書き起こし形式で紹介する。
Q:次はバクーですが、マックスとセルジオにとっては去年、良い思い出と悪い思い出がありましたね。それと、2人ともモナコの優勝者ですから、トリプルクラウンへの道のりの3分の1歩んだ事になります。今日はインディ500がありますが、将来的にそれを達成できる可能性があるという点についてどう思いますか?
サインツ
(興味なさげに椅子にのけぞる)
フェルスタッペン
僕はトリプルクラウンを目指そうとは思ってないんだ。少なくともインディカーはない。ドライバーを含めて彼らの仕事ぶりは評価しているけど、あれは正気の沙汰とは思えない。
彼らが達成してきた事については心から尊敬してるけど、僕はまだ長年に渡ってF1で走り続けてきたわけでもないし、自分の命を危険にさらす必要も、足や何かに怪我を負うリスクを負う必要もないしね。
ル・マンとか耐久レースは好きだから、できれば近いうちにやってみたいとは思うけど、(トリプルクラウンは)僕にとってはどうでもいいことなんだ。
もちろんF1で良い成績を収めたいとは思うし、何をするにしても上手くやりたいと思うけど、3冠を獲りたいとかそういう欲望はないし興味がないんだ。
去年のバクーに関しては、すべてコントロールできていたのにアンラッキーで…。
ペレス
メインストレートでコントロールを失ったんだよね?
フェルスタッペン
そうそう。たぶん、才能が尽きたんだろうね!(笑。
サインツ
(爪を噛みながら下を向いてほんの少しだけ、ほくそ笑む)
フェルスタッペン
チームにとっても最高の結果に終わるはずだったのに、最終的にはワールドタイトルの可能性すら失う可能性に見舞われて、あれは本当に痛かった。
でもそれがレースってものなんだ。意識する事はないにしてもメカニカルなスポーツであることに変わりはない。今年はクルマもタイヤも違うけど、どうなるだろうね。
Q:チェコはどうですか?
ペレス
(即答で)正直に言って興味はないね。耐久レースに関しては…いつかやるかもしれないけど、(インディ500は)ないかな。
F1を終えたら子供の面倒を見なきゃならないだろうしね(笑。もう3人もいるから。かなり忙しくなるんじゃないかと思う。この話題は僕よりも隣の2人向けだと思うよ。
フェルスタッペン
チェコはチームを作って子供と一緒にサッカーをやるつもりだからね(笑。
ペレス
(フェルスタッペンの方を見ながら笑って頷く)
Q:最後にカルロス、蚊帳の外に置かれたと感じて欲しくないのですが、トリプルクラウンについてはどう思いますか?
サインツ
(ボソッと一言)うーん、、遠慮しとくよ…。(会場から笑い)
フェルスタッペン
(爆笑しながらサインツの方を見て)ホントに? 絶対だな?
ペレス
(同じくサインツの方を見て)何でだよ。子供いないじゃん!
サインツ
(ニヤけながら退室)