FIA、アブダビ論争を経てF1セーフティーカー規約の改定要否を議論
F1を統括する国際自動車連盟(FIA)は、劇的な結末でタイトルが決する事となったアブダビGPでの一件に関する調査分析を開始した。まずは1月19日にセーフティーカー(SC)の導入と解除に係る規約の改定要否について議論する。
世界モータースポーツ評議会(WMSC)がレース最終盤のSC導入・解除を巡る意思決定について調査を行う方針を示して1か月。そのプロセスが遂に開始された。
FIAは2月に開催が予定されているF1コミッションで暫定的な調査報告をまとめた後、3月18日にバーレーンで開催されるWMSCで最終報告を発表する。
ヤス・マリーナでのレースでは、SC導入下でタイヤ交換を行ったマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)が最終ラップでルイス・ハミルトン(メルセデス)を交わし、自身初となるチャンピオンに輝いた。
メルセデスはレースリザルトに対して異議申し立てを行うも、スチュワードはこれを棄却。チームはその後、控訴の意思を表明したが最終的に撤回した。
FIAは13日(木)、モハメド・ベン・スレイエムFIA新会長の指揮の下「一件を含む含むさまざまな問題について、全F1チームとの協議を開始した」と発表。19日にはレギュレーション変更の勧告権限を有するスポーツ諮問委員会でSCに関する議論を行い、この後に全てのF1ドライバーから話を聞く。
ベン・スレイエムFIA会長はまた、新たにシングルシーター・ディレクターに任命されたピーター・バイエルに対し、2022年シーズンの開幕に向けてFIAにおけるF1組織の見直し並びに、最適化のための提案を上げるよう指示した。
アブダビでの最終盤、FIAレースディレクターを務めるマイケル・マシはSC解除を前にタイトル争いの当事者間を走行していた5台の周回遅れにのみラップバックを許可。この結果、フェルスタッペンがタイヤのアドバンテージを活かしてハミルトンを抜き去りトップチェッカーを受けた。
スチュワードはマシの意思決定について、SCに関わる判断は最終的にレースディレクターに一任されるとのスポーティング・レギュレーション第15条3項を理由に正当化した。19日の会合では、マシの判断の合法性や、当該規約の合理性、更にはルール変更の要否が判断される事になるものと見られる。