ルイス・ハミルトン、F1サンパウロGP予選失格の危機…DRS規制違反の恐れ
メルセデスのルイス・ハミルトンが12日(金)のF1第19戦サンパウロGP公式予選結果から除外される危機に瀕している。マシンがDRS関連のルールに違反していた可能性がある。
ハミルトンはインテルラゴス・サーキットでの初日予選でマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)をコンマ4秒差で退けトップタイムを記録した。
通常であれば13日(土)午後のスプリント予選を最上位グリッドからスタートする事になるが、FIAテクニカルデリゲートを務めるジョー・バウアーは予選を終えて、44号車メルセデスW12のDRSが技術指令に準拠していない事を報告した。
ジョー・バウアーからF1サンパウロGPのスチュワードに宛てられた文書には「カーナンバー44の最上部リアウィング・エレメントの調整位置が、2021年フォーミュラ1技術レギュレーション第3条6項3に適合しているか否かを確認した」と記されている。
「最小距離の要件は満たされていたが、TD/011-19が定めるところのDRSシステムを展開してテストした場合の最大85mmの要件は満たされていなかった」
「この件についてはスチュワードに検討を委ねたい」
DRS(ドラッグ・リダクション・システム)とは、マシンの走行中にリアウイングの角度を意図的に寝かせる事で空気抵抗を減らし、トップスピードの向上をめざすアクティブ・エアロデバイスの事を指す。
ルール上、DRSのフラップを稼働させた場合のメインプレーンとの距離は最大85mmと制限されているが、ジョー・バウアーによるとハミルトン駆る44号車はこの制限を超えてしまったようだ。
通常、車体に技術的な違反があった場合、当該ドライバーは失格処分となる。スチュワードが違反を認定すればハミルトンは予選結果から除外され、スプリント予選で最後尾あるいはピットレーンからのスタートを余儀なくされるものと思われる。タイトル争いへの致命的なダメージは避けられない。
ジョー・バウアーからの報告を受けてスチュワードは、この件に関してメルセデスに招集を命じ、現地時間19時15分より聞き取りが行われたが、現地22時を前に審問を保留とする発表が行われた。
なお週末に先立ってハミルトンは5基目のICE(内燃エンジン)を開封しているため、日曜の決勝レースではこの件とは別に5グリッド降格ペナルティが科される。