フェルスタッペン、競技規制違反の疑いで招集!”別件クレーム”逆効果でハミルトンのDRS審問保留を誘発か?
F1サンパウロGPのスチュワードは12日(金)の予選を終えて、レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンとチーム代表者に対し、現地13日(土)9時30分より聴取を行うとの通達を出した。
その理由としてスチュワードは、国際スポーティング・コード(ISC)第2条5項1を理由に挙げた。当該条項は以下のように定めている。
「パルクフェルメ内には、割り当てられたオフィシャルのみが立ち入る事ができる。同オフィシャル、またはレギュレーションによる許可がない場合、(クルマに対する)操作やチェック、チューニング、修理は許されない」
これは予選トップタイムを記録しながらも、DRS関連の技術指令に違反したとして審問中のルイス・ハミルトン(メルセデス)の一件に関係するものと見られる。
この件に関してスチュワードは12日(金)現地時間19時15分より聴取を行ったが、2時間半が経っても何も発表がない状況が続き、時計の針が現地22時に近づく中、審問を明日の朝まで保留するとする方針を示した。聴取は行われているため”延期”ではなく”保留”だ。
明朝に保留したその理由としてスチュワードは、一件に関する何らかの「更なる証拠を待つため」だと説明した。「証拠」に関する詳細な説明はなかったが、恐らくフェルスタッペンの競技規制違反疑惑の事と見られる。
実は予選直後、パルクフェルメにクルマを止めて降りた後にフェルスタッペンが、右手のグローブを外して自身のRB16BとハミルトンのW12のリアウイングを触ったように見受けられる動画が拡散した。これが喚問の理由と見られる。
何故フェルスタッペンは両マシンのウイングを触ったのか?
ハミルトンのDRS違反の件とは無関係と見られているが、独auto motor und sportによると予選の1時間前にレッドブル・ホンダのエイドリアン・ニューウェイとポール・モナハンがFIAの元を訪れ、メルセデスのリアウイングについてクレームを申し立てた。
レッドブル側はW12のリアウイング・エレメントが時速260kmから”たわみ”始めると考えており、これを指摘しに行ったのだと言う。この件が正式な抗議へと至るかどうかは未定だが、これがきっかけとなりハミルトンを含む他車のリアウィングが予選後に検査される事になった。
つまり、クレームの件が事実だとすれば、フェルスタッペンはDRS違反の一件に関わらずW12のリアウィングに興味を持っていたという事だ。
普通に考えればハミルトンの予選失格処分は免れない。だが、そんな最中に例の動画が拡散される事となった。メルセデスにとってこれが「棚からぼたもち」となった可能性は否定できない。
いずれにせよ今季タイトル争いを繰り広げる2人のドライバーは、土曜日のFP2を前にスチュワードから何らかの制裁を受ける可能性がある。