フェルスタッペン9勝…セナのホンダF1ドライバー年間最多優勝を更新、タイトル獲得に向け「大きな意味のあるレース」と田辺TD
11月7日(日)に行われたF1第18戦メキシコGP決勝は、レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンが1周目のターン1で逆転のラップリーダーに躍り出ると、その後、独走劇を繰り広げて今季9勝目を飾る結果となった。
終始、ルイス・ハミルトンにプレッシャーをかけ続けたチームメイトのセルジオ・ペレスは1.1秒差の3位でフィニッシュし、キャリア初の3戦連続表彰台を達成すると共に、母国レースでポディウムに上がった初のメキシコ人ドライバーとなった。
この結果、フェルスタッペンはドライバーズ選手権でのリードを19ポイントに拡大し、レッドブル・ホンダはコンストラクターズ選手権で首位を走るメルセデスに1ポイント差に迫った。
また、フェルスタッペンは1988年に年間8勝を挙げたアイルトン・セナを抜いてホンダF1エンジンドライバーとしてのシーズン最多優勝記録を塗り替えた。
アルファタウリ勢はピエール・ガスリーが完璧なレース運びで4位入賞を果たし、ホンダがトップ4に3台を並べる結果となった。チームメイトの角田裕毅は1周目のターン1での混乱に巻き込まれサスペンションにダメージを負い、無念のリタイヤを強いられた。
レースを終えたホンダF1の現場統括責任者を務める田辺豊治テクニカル・ディレクターは、残りのタイトル争いに向けて「大きな意味のあるレース」になったとの考えを示した。
「今日のメキシコシティGP決勝は、3番手からスタートしたレッドブル・ホンダのフェルスタッペン選手が前の2台を押さえて1コーナーでトップに立ち、そのままレースをリードして優勝を果たしました」
「4番手からスタートしたペレス選手は、スタート直後の1コーナーで前車がスピンした事で3番手にポジションを上げ、終盤に向けてハミルト ン選手を追い詰めていきました。残念ながらオーバーテイクには至りませんでしたが、母国GPで初表彰台の3位を獲得しました」
「レッドブルとしては3戦連続でのダブル表彰台となりました。最終盤のチャンピオンシップの戦いに向けて、チームとして良い形になってきていると思います」
「スクーデリア・アルファタウリ・ホンダのガスリー選手は5番手スタートからポジションを上げ、好ペースをキープして4位フィニッシュと、こちらも良い結果を残すことができました。週末の開始から力強い走りを見せていましたので、それをレース結果につなげてくれた事を嬉しく思っています」
「角田選手についてはスタート直後の不運な接触によりリタイアとなりました。ここではガスリー選手とともに非常に速く、PU交換のペナルティーでスタートポジションが下がってしまいましたが、そこからの力強いレースを期待していただけに残念でした」
「高地での戦いということで、パワーユニットもそれに合わせたセットアップが必要となりますが、HRD SakuraとHRD UKでの事前テストやチームとのシミュレーションが非常によく機能して、持てる力を十分に発揮できたと考えています」
「週末を通して力強い走りをしてくれたドライバー、ホンダの研究所、そしてチームのメンバーに感謝したいと思います」
「チャンピオンシップに関してもドライバーズ・チャンピオンシップでのリードを広げた事に加えて、コンストラクターズチャンピオンシップでトップに1ポイント差まで詰め寄ることができ、今後に向けて大きな意味のあるレースになりました」
「来週は連戦でブラジルでのレースになります。次のレースでも良い結果を残せるよう、これから万全の準備を進めていきます」
インテルラゴス・サーキットを舞台とする次戦サンパウロGPは11月12日のフリー走行1で幕を開ける。