ルイス・ハミルトン、雨のスパでのFIA判断を痛烈批判「茶番劇」ファンに金を返すべきと主張
メルセデスのルイス・ハミルトンは、グリーンフラッグの見通しがない中で規定の2周を消化してレースを成立させた国際自動車連盟(FIA)の判断を「茶番劇」「金がモノを言う」と痛烈に批判した。
降り続く雨の中、観戦に訪れたファンはベルギーGPの開始を3時間以上待つ事となった。最終的にセーフティーカー先導の下でレースは開始されたが、2周を経て再び赤旗が振られそのまま終了を迎えた。
ハーフポイント要件の2周を満たしていたためハミルトンは3位表彰台に上がり7.5ポイントを手にした。チャンピオンシップを争うマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)は優勝によって12.5ポイントを持ち帰った。両者のポイント差は3点にまで縮まった。
レースを終えたハミルトンは「ファンの皆に本当に申し訳なく思う」と述べ、最後に2周を消化したのはレースを成立させるためだけの商業的な判断だと批判。「金がモノを言った」「ファンもお金を取り戻すべきだと思う」と自論を繰り広げた。
「今日、このスポーツは誤った選択をしたと思う」とハミルトン。
「僕らとしては当然レースを望んでいた。レース成立のためには最低2周しなきゃならない。ただ1回目の中断から2回目の中断による終了まで、雨は一貫して降り続いていた」
「僕らを送り出した理由は一つしかない。だからこそ、ファンの皆に申し訳ない事をしたと思っているんだ」
その後ハミルトンはSNSに次のメッセージを寄せた。
「今日は茶番劇だった。損をしたのは高いお金を払って僕らレースを見に来てくれたファンだけだった」
「もちろん、天候はどうにもできないけど、僕らには状況を教えてくれる高性能な機器がある。天候が回復しないことは明らかだった」
「僕らが送り出されたのはただ一つ。たった一つの理由によるものだった」
「順位の入れ替わりがなくファンに楽しんでもらえる可能性がないのに、セーフティカー先導のもとで2周を消化するのはレースじゃない」
「ドライバーを危険に晒す事なく、そして何より、このスポーツの中心であるファンの皆に返金するためにも、即座に中止とすべきだったんだ」
ハミルトンは一件についてF1の責任者と話し合いをする意向を示している。
なおFIAレースディレクターを務めるマイケル・マシとF1のステファノ・ドメニカリCEOは、長期中断後の再開判断の理由とスパとの商業契約の一部を明かす事でハミルトンの批判に反論している。
8月29日(日)にスパ・フランコルシャンで行われた2021年F1第12戦ベルギーグランプリ決勝レースは、雨の影響で3時間超の赤旗中断を強いられ、1度もグリーンフラッグが振られる事なく終了を迎えた。
この結果、ポールシッターのマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)がスパ初優勝を飾り、2位にジョージ・ラッセル(ウィリアムズ)、3位にルイス・ハミルトン(メルセデス)が続く結果となった。
ザントフォールト・サーキットを舞台とする次戦オランダGPは9月3日のフリー走行1で幕を開ける。