ホンダF1、謝罪…PU異常でFP2を全ロス「凄く残念だし理想的じゃないけど…」とピエール・ガスリー
ホンダF1はレッドブル・リンクでの初戦、第8戦シュタイアーマルクGPの初日プラクティスでマックス・フェルスタッペン(レッドブル)がFP1及びFP2の両方のセッションでトップタイムをマークするなど好調を示した。
ただFP2の開始を直前に控えて、午前のオープニングセッションでフェルスタッペンに次ぐ2番手を記録していたピエール・ガスリー(アルファタウリ)のパワーユニットのデータに異常が確認されたため、ホンダは予防措置として走行中止を決断。ガスリーは貴重なフリー走行1回分を丸々失う事となった。
これについてガスリーは、表立って落胆した様子は一切見せなかったものの、リスクヘッジのためとは言え走行時間をロスした事は「試したい事が幾つかあっただけに残念」とする一方、レッドブル・リンクでのAT02はペースもパフォーマンス良く「全てが好調」で、FP1は「最高のセッションだった」と評した。
ただ、FP2のプログラムを1台で担当した角田裕毅について「FP1の時ほどクルマの感触が良くなかったようだ」と述べ課題を指摘。2日目に向けてデータを分析して改善に向けて取り組む必要があると訴えた。
懸念されるのは、これがハードウェアの交換を強いる深刻なトラブルかどうかという点だ。ガスリーは「凄く残念だし理想的じゃないけど、僕らにできる事はない」と状況を受け入れている様子で、2日目に向けてエンジン交換の必要性があるかどうかを見守りたいとした。
ガスリーは7戦を終えてエキゾースト以外の全てのPUコンポーネントを各々2基ずつ開封している。ES(バッテリー)とCE(コントロール・エレクトロニクス)に関しては規約上限目一杯だが、ICE(内燃エンジン)を含む主要エレメントにはまだ1基の余裕がある。
ホンダF1の現場統括責任者を務める田辺豊治テクニカル・ディレクターは「2チーム共に良いスタートが切れた」という点でポジティブだとしながらも、ガスリーをコースに送り出せなかった事は「大変申し訳なく残念」と謝罪し、当初予定していたPUの最適化に関する作業に影響が及んだ事から「明日のP3で挽回を図りたい」と誓った。
他の2人のドライバーに関しては、セットアップの方向性を見誤ったというセルジオ・ペレスはチームメイトほど目立ったタイムを残せず初日を9番手で終えたが、アルファタウリの角田裕毅はFP2こそ計測ラップ中にギアシフトに問題が出てしまい15番手と奮わなかったものの、FP1では5番手をマーク。期待を誘うパフォーマンスを示した。
予想されていた雷雨の到来はなく、初日は奇跡的にドライコンディションでのセッションに恵まれたが、2日目の見通しも芳しくはない。
田辺TDは「今日のFP2開始前にも少し雨がぱらつきましたが、明日、明後日も同様に不安定な天候の予報が出ています。どのような状況にも素早く適応していいパフォーマンスを出せるよう、さまざまな想定をした上で明日以降のセッションに臨みたいと思います」と締め括った。
初日をトップで終えたのはマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)。2番手ダニエル・リカルド(マクラーレン)を0.336秒差で退けた。3番手には0.378秒遅れでエステバン・オコン(アルピーヌ)が続く結果となった。
F1シュタイアーマルクグランプリ3回目のフリー走行は日本時間6月26日(土)19時から、公式予選は同22時から1時間に渡ってレッドブル・リンクで開催される。