元ハースF1チームのケビン・マグヌッセンとロマン・グロージャンが再びオープン・ホイールの最高峰で対戦する事が決まった。2人は6月20日(日)に開催されるインディカー・シリーズ第9戦ロード・アメリカに参戦する。

マクラーレンSPは第7戦デトロイトでの事故により負傷したフェリックス・ローゼンクヴィストの代役として、第9戦ロード・アメリカを前にケビン・マグヌッセンと契約を締結した事を明らかにした。

28歳のデンマーク人ドライバーは昨年末を以てハースF1との契約を終え、今季よりチップ・ガナッシからIMSAスポーツカー選手権に参戦。先週末のデトロイトでランガー・バン・デル・ザンデと共に1号車キャデラックDPi-V.Rを駆りIMSA初優勝を飾ったばかりだ。

ローゼンクヴィストは先週末にベルアイル・パーク市街地コースにて開催されたダブルヘッダーの第1レース中に、タイヤバリアに激突して地元病院で一泊の入院を強いられた。翌日のレース2では、昨年までチームに所属していたオリバー・アスキューがステアリングを握った。

チームからの発表によればローゼンクヴィストの身体に問題はなく、レース2の後には同郷の先輩であり、レース1でインディカー初優勝を飾ったマーカス・エリクソンと共に食事をするなど順調に回復へと向かっているように思われたが第9戦への参加許可が降りず、マクラーレンSPは急遽マグヌッセンと交渉。契約へと至った。

マグヌッセンは2010年にマクラーレンと契約。育成プログラムに加わると、2014年にレギュラードライバーとしてオーストラリアGPでF1デビューを果たした。だがその年の終わりにマクラーレンはフェルナンド・アロンソと契約。2015年10月を以てチームを去った。

F1シートを喪失した際にインディカー参戦への興味を認めていただけに、マグヌッセンにとっては願ってもないチャンスが到来したと言える。

マグヌッセンは代役参戦の発表に際して「フェリックスが回復するまでの間、彼の代役を務める事になった。一度もインディカーマシンをドライブした事がない状況でいきなりレースに参加するのは大きなチャレンジだけど、このチャンスを逃すわけにはいかない。 フェリックスには一刻も早く元気になって欲しい」と語った。

予期せぬインディカー参戦により、マグヌッセンは長年に渡ってチームメイトであったグロージャンと再びコース上で相まみえる事になる。マグヌッセンと同じく昨年末でシートを失ったグロージャンはデイル・コイン・レーシングと契約して今季インディカー・シリーズに参戦。僅か3回目の出走でポールポジションを獲得するなど、高い競争力を発揮している。

なおデトロイトでローゼンクヴィストの代役を務めたアスキューは今週末のロードアメリカでリーナス・ヴィーケイ（エド・カーペンター）の代役を務める。第5戦インディGPで初優勝を飾った20歳のオランダ人ドライバーは、デトロイトのレース2翌日にサイクリング中の事故によって左の鎖骨を骨折した。

ロードアメリカGPは現地6月20日(日)に開催される。日本ではGAORA SPORTSが日本時間同日25時より生中継する。視聴には「スカパー！」の他、光回線を使った「ひかりTV」「auひかり」であれば面倒なアンテナ設置なしでインディカーを楽しむ事もできる。更に今季からはHulu ライブTVでもストリーミング配信されている。