ホンダF1、フェルスタッペン失う大波乱も29年ぶりの連勝「次の3連戦でも勝ち続けたい」と田辺TD
ホンダF1は、6月6日に開催されたF1アゼルバイジャンGP決勝レースでレッドブルのセルジオ・ペレスが油圧問題でのリタイヤの危機を乗り越え移籍後初優勝を飾り、アルファタウリのピエール・ガスリーが3位フィニッシュを果たした。
ホンダとしては通算81勝目で、1992年のモナコGP・カナダGP以来の連勝となった。またダブル表彰台は2020年のバーレーンGP以来の事で、異なる2チームが同時に表彰台へ登壇するのは2019年のブラジルGP以来の快挙だった。
7番手からスタートした角田裕毅は1周目に1つポジションを下げるも、すぐさまフェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)をオーバーテイクして順位を奪取。自己最高位を更新する7位入賞を飾った。ただ本人はまるで納得していない様子で「本当に気分が悪い」とフラストレーションをあらわにした。
最高位3番手からスタートしたマックス・フェルスタッペンは前方のシャルル・ルクレール(フェラーリ)を2周目にパス。12周目のピットインによって首位を走行していたルイス・ハミルトン(メルセデス)のオーバーカットに成功すると、そのままリードを広げていった。
ところが、残り5周というところで左リアタイヤが突如パンク。時速320㎞以上に及ぶメインストレートでスピンを喫してバリアに激突し、レースは赤旗中断を迎えた。確実視された勝利を失った形だった。
ただしルイス・ハミルトンが16位、バルテリ・ボッタスが12位と、メルセデスの2台が共にポイント圏外でレースを終えた事で、フェルスタッペンはポイントリーダーの座を維持すると共に、レッドブル・ホンダはコンストラクターズチャンピオンシップでのリードを26ポイント差に拡大。アルファタウリ・ホンダもアストンマーティンを抜き、ランキング5位に浮上した。
ホンダF1の現場統括責任者を務める田辺豊治テクニカル・ディレクターは51周に及んだ長き戦いを終えて、次戦フランスGPから続く次の3連戦においても「勝ち続けられるよう、懸命に仕事に取り組んでいきたい」と気持ちを新たにした。
順位 | ドライバー | 差 | 点 |
---|---|---|---|
1 | ペレス | 3:33.686 | 25 |
3 | ガスリー | +2.762s | 15 |
7 | 角田裕毅 | +6.624s | 6 |
18 | フェルスタッペン | DNF | 0 |
Honda:F1アゼルバイジャンGP決勝
田辺 豊治ホンダF1現場責任者
今日のアゼルバイジャンGP決勝は、トップを快走していたレッドブル・ホンダのフェルスタッペン選手がクラッシュした事で残り3周で赤旗中断になるという、我々にとって大きな波乱のレースとなりました。
チームメートのペレス選手は終始、フェルスタッペン選手に続く2番手を走行し、同僚のリタイアによりトップとなった赤旗中断の後にも着実にポジションを守りきり、キャリア2回目、レッドブル・ホンダ移籍後初となる優勝を獲得しました。
また、スクーデリア・アルファタウリのガスリー選手が力強い走りで3位フィニッシュした事で、ホンダF1としてはダブル表彰台を獲得する事となりました。
角田選手も7位入賞を果たして貴重なポイントを獲得し、コンストラクターズランキングで熾烈な中団グループと闘うアルファタウリ・ホンダを5位に押し上げました。
4人のドライバーの素晴らしいパフォーマンスに加えて、戦略やピットストップなどチームの素晴らしい働きが、予選での4台Q3進出と今日のレースでの好結果に結び付きました。
これより1週間のオフを経て欧州での3連戦に向かいます。タフな戦いが続きますので、十分に準備を整えて、勝ち続けられるように懸命に仕事に取り組んでいきたいと思います。
6月6日(日)にバクー市街地コースで行われた2021年F1第6戦アゼルバイジャンGPでは、6番グリッドからスタートしたセルジオ・ペレス(レッドブル・ホンダ)が2勝目を上げ優勝。2位はセバスチャン・ベッテル(アストンマーチン)、3位表彰台はピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)という新鮮な顔ぶれが並んだ。
ポール・リカール・サーキットを舞台とする次戦フランスGPは、6月18日のフリー走行1で幕を開ける。