イモラ・サーキットのピットとホームストレートの様子、2021年4月16日F1エミリア・ロマーニャGPフリー走行にて

無線障害に映像中断とインフラ軒並み壊滅…F1エミリア・ロマーニャGPで一体何が起きていたのか?

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イモラ・サーキットでのF1エミリア・ロマーニャGP初日1回目のフリー走行では、テレビ中継画像が途切れ、タイミングモニターが完全に機能せず、更にはチーム無線が不通となるなど、インフラ面に障害が発生した。何が起きていたのか?

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による各種制限を受け、F1は技術業務の多くを現場ではなく英国のロンドン南東部にあるビギン・ヒルで回しているそうだが、英AutosportによるとF1は、地元の光ファイバーにトラブルが発生した事で、こうした一連の障害が発生したと説明しているという。

国際映像はセッションが始まってもライブ映像を配信できず、最初の数分間を静止画によるスライドショーで凌ぐ事を強いられ、データフィードでは各車が履いているタイヤが表示されず、オンボード映像がないために接触事故の詳細も分からず仕舞いだった。

無線障害が遠因となり、エステバン・オコン(アルピーヌ)とセルジオ・ペレス(レッドブル・ホンダ)がクラッシュに見舞われる場面もあった。スチュワードは障害状況を考慮し、両者をお咎めなしとした

アルファタウリ・ホンダのチーフレースエンジニアを務めるジョナサン・エドルズは「タイミング、GPS、テレビフィード」に問題が発生した事で、自分達が如何にこうしたシステムに「依存している」のかを身を以て体感したと語った。

またチーム代表のフランツ・トストは「ドライバーは我々の声が聞こえず、我々もドライバーの声が聞こえないという全く新しい状況で、誰もこのような事態に備えていなかった」と述べ、今後の課題とすべきとした上で「自分達の混乱ぶりを観察するのは興味深い経験だった」と振り返った。

フェラーリのマッティア・ビノット代表は、複雑奇怪なパワーユニットの運用という点で、無線がないと問題が生じた場合に対処の術がなくなってしまうとして「深刻な問題だ」と指摘。「ピットとドライバーとのコミュニケーションは安全面、機能面、信頼性という点で非常に重要」と付け加えた。

他方、アルファロメオのフレデリック・バスール代表はタイムが表示されず「不思議な感じだった」としながらも、不満を口にしていたドライバー達に「20年前の連中は無線がなくても走っていた」と諭した事を明かした。

セッション終了後の中休みの間に問題への対処が行われた結果、FP2では特に目立った問題は確認されなかった。ハードに関するものではなくソフト面でもトラブルであったものと見られる。

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