夕日が眩しいバーレーン・インターナショナル・サーキットでアルピーヌA521をドライブするフェルナンド・アロンソ、2021年3月14日F1バーレーンテスト3日目
Courtesy Of Alpine Racing

競争激化必至…2021年のF1に”中団グループ”はもはや存在しない、とアルピーヌ

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プレシーズンテストの結果からその先の景色を描く事は常に困難な作業だが、アルピーヌF1チームのエグゼクティブ・ディレクターを務めるマルチン・ブコウスキーは、トップ2チームを除く全チームの競争力格差が大幅に縮小したと考えている。

コンパウンドや搭載燃料量やエンジンモードなど、様々な変数が異なるため一概に比較できないものの、3日間に渡ったバーレーンでのプレシーズンテストでは、アルファタウリ・ホンダをはじめとして一部チームが昨年からの進化の程度を伺わせた。

アルピーヌF1チームのエグゼクティブ・ディレクターを務めるマルチン・ブコウスキー、2021年3月13日のバーレーンテストFIAプレスカンファレンスにてCourtesy Of Alpine Racing

アルピーヌF1チームのエグゼクティブ・ディレクターを務めるマルチン・ブコウスキー、2021年3月13日のバーレーンテストFIAプレスカンファレンスにて

ブコウスキーは、チームのストラテジスト達が搭載燃料量やタイヤなどの各変数を補正しながら懸命に勢力図を理解しようと努めているとした上で、正確に見通すことは「本当に難しい」としながらも「もはやミッドフィールドではない。これはもうフィールドだ」と述べ、メルセデスとレッドブル・ホンダを除くフィールド全体で競争が激化するとの予想を口にした。

「メルセデスは明らかに幾つかの問題を抱えており、恐らく少しは手の内を隠していたであろうから、我々はメルセデスが(今年も)フロントにいると思っているし、レッドブルも手強い存在になるだろうと予想している」

「だが、彼らの後方にはフィールドが広がっていて、その中において自分たちがどの位置に立っているのかを言い当てるのは困難だ。私はこのエリアの競争が激しくなるものと考えている」

「マクラーレンは速そうだし、アストンマーチンも実際にはかなり速いだろう。だが残りに関しては本当に分からない」

昨年のミッドフィールドは、マクラーレン、レーシングポイント(現アストンマーチン)、ルノー(現アルピーヌ)の3チームがミッドフィールド最速を競い合い、これにやや遅れてフェラーリとアルファタウリ・ホンダが続き、後の3チームはこれら5チームから大きく遅れた最下位争いを繰り広げていた。

3日間に渡るテストでアルピーヌは、ターゲットはあくまでも「周回数」であるとして、搭載燃料量を変えてバランスやセットアップに関する作業に取り組むなどしながら、エステバン・オコンとフェルナンド・アロンソが精力的に走り込み計396周(2,143km)のマイレージを重ね、パフォーマンスランを重視する事はなかった。