F1チーム代表シリル・アビテブール、アルピーヌとしての再出発を前にルノー・グループを退社
フランスの自動車メーカー、グループ・ルノーは2021年1月11日(月)、ルノーF1チーム代表を務めていたシリル・アビテブールの離脱を発表した。43歳のフランス人マネージャーはチームを去るのみならずルノーを退社する。
グループの新たなスポーツブランドとして位置づけられたアルピーヌの責任者への着任が予想されていたが、グループ・ルノーは戦略・事業開発担当ディレクターを務めていたローラン・ロッシを最高経営責任者(CEO)に任命した。
ローラン・ロッシはグループ・ルノーのルカ・デ・メオCEOの下、市販車並びにF1を含めたモータースポーツ部門のすべてを監督する。
アルピーヌの最高経営責任者に就任したローラン・ロッシ / © RENAULT
アビテブールは「長年にわたり私を信頼してくれたグループ・ルノー並びに、アルピーヌ事業の立ち上げに参画させてくれたルカ・デ・メオに感謝する。新体制の成功を祈る」との談話を発表した。
シリル・アビテブールの退社はルノー・スポール・レーシングの社長を務めていたジェローム・ストールの退任に続くトップ人事であり、アルピーヌへのブランド変革を前にルノーはモータースポーツ部門の経営陣を一新する事になる。
リブランドされたアルピーヌF1のチーム代表職に関する人事は現時点で発表がないものの、ローラン・ロッシはF1での経験がなく、マルチン・ブコウスキーが後任に就くものと見られる。
シリル・アビテブールはグルノーブル技術学院でエンジニアリング全般を学んだ後、ルノーに入社。2007年にルノーF1チームのビジネス開発マネージャーに就任し、2010年にはルノー・スポールF1のエグゼクティブディレクターに抜擢された。
ワークス撤退後はケータハムF1チームに移籍。2012年11月8日にトニー・フェルナンデスの後任としてチーム代表に就任した。
2016年のルノー・ワークス復帰を前にケータハムを去ると、シリル・アビテブールはマネージング・ディレクターとして古巣に戻り、ルノーのスポーツ部門並びにF1プロジェクトを率いてきた。
昨季のルノーはダニエル・リカルドが表彰台を獲得する活躍を残したものの、2年連続でコンストラクターズ選手権5位に終わり、シリル・アビテブール体制でのルノーF1チームは、ワークス復帰の際に掲げていた5年以内のタイトル争いという目標を達成する事はできなかった。
再出発を切るアルピーヌF1チームは新たなチーム代表の下、フェルナンド・アロンソとエステバン・オコンのラインナップで2021年シーズンのFIA-F1世界選手権に挑む事になる。