フェリペ・マッサ世界カート選手権会長、コルベーリの”危険行為”に断固「許容できない」FIAが調査に着手
世界カート選手権のトップを務める元F1ドライバーのフェリペ・マッサは、イタリア・ロナートで開催されたFIAワールド・カート・ファイナルでの危険行為と乱闘騒ぎは「許容できるものではない」として、関わった者は「自らの行動の責任を問われる事になるだろう」と述べ、本件に断固足る姿勢で臨む事を誓った。
10月4日にサウス・ガルダ・カート場で開催されたKZアカデミーのレースでは、イタリア出身のルカ・コルベーリ(23歳)が同じイタリア出身のパオロ・イッポリート(24歳)と接触。リタイヤした事に腹を立てたコルベーリが、コースを周回するイッポリート目掛け、自身の車両からバンパーを取り外しこれを投げつけた。
幸いにもイッポリートを含むレース中のドライバーに怪我はなかったが、コルベーリは静止しようとした関係者を無視してコースを横断。レース後のパルクフェルメに乱入してイッポリートにタックルした後、殴りかかった。この後、2人の人物が同じようにイッポリートを攻撃する様子が確認されているが、この内の一人はコルベーリの父親と見られている。
遅々としてレースを統括する国際自動車連盟(FIA)からの本件に関するアナウンスがない状態が続いていたが、丸1日以上が経過した5日(月)になってようやく調査を開始した事を明らかにした。なお、コルベーリとイッポリートは共に失格処分が科されている。
FIAは声明の中で「FIA及びACI(イタリア自動車クラブ)は、昨日イタリアのロナートで開催されたFIAカートKZ世界選手権において、ドライバー、チームメンバー、コース関係者を巻き込んだ不穏な事件が発生したことを深く憂慮している。FIAはこの事件について直ちに調査を開始した」と述べた。
世界カート選手権の責任者足る立場にあるフェリペ・マッサは本件について「このような行為は我々のスポーツでは容認できない。関係した個人は彼らの行動の結果に直面するだろう」と述べ、問題解決を誓った。
事件の一部始終を捉えた映像が世界中に広まった事もあり、2009年のF1ワールドチャンピオンであるジェンソン・バトンは、コルベーリを永久追放すべきだとの自論を展開。マクラーレンのザク・ブラウンCEOもバトンの意見に「完全に同意する」と述べるなど、本件はモータースポーツ界を中心に大きな波紋を呼んでいる。