マクラーレン、不確実性を警戒「取りこぼしなく戦う事が決定的に重要」
マクラーレンのランド・ノリスとカルロス・サインツが、レッドブル・リンクで開催される2020年FIA-F1世界選手権開幕オーストリアGPに先立って抱負を語った。昨年のレースではノリスが6位、サインツが8位とダブル入賞を果たしている。
今回型マシンMCL35には、バルセロナテストでは見られなかったアップデートが持ち込まれるようだ。アドレアス・ザイドル代表は開幕に向けた準備について「(2連戦という)過酷なレースを乗り切るために十分なパーツを製造しておく事と、マシンのアップデート及び開発とのバランスが大切だった」と語った。
「ようやく2020年シーズンの開幕の準備が整った。ファンもドライバーもチームも、誰もがこの時を待ち望んでいた。(新型コロナウイルス感染症の影響で)このスポーツは一時的に中断を余儀なくされたが、我々は再び戦う事へのモチベーションを高めている」
「オーストリアでの2連戦は我々に興味深く新しい挑戦を提示している。昨年のグランプリでは強さを発揮できたが、シーズン開幕の遅れによる不確実性もあり、両レースで最大限のパフォーマンスを発揮するにはオペレーションを完璧にこなす必要がある」
6シーズン目を迎えるサインツは、レース数が少なく開発競争が制限され、突如としてイベントが中止される恐れすらある変則的な今季の戦いについて「集中力を切らさない事が大切。誰もが未経験の状況であり、最終的に何レースが行われるかも定かでないため、取りこぼしなくポイントを獲得することが決定的に重要だ」と語った。
マクラーレン:オーストリアGPに向けて
ランド・ノリス第1レースの分析が鍵
F1マシンに戻るのが待ちきれないね。7歳でレースを始めて以来、今回の休みは過去最高に長かったから、凄く楽しみだよ。
レースから離れている間もハードワークを怠らずに、コンディションを維持してきたつもりだ。自宅でも大量にトレーニングをして、シミュレーターにもかなりの時間を費やしてきた。それにここ数週間はカルロスと一緒にカートやF3マシンを走らせて準備を整えてきた。
レッドブル・リンクは最高に素晴らしい高速サーキットで、僕らは昨年、良い成績を残すことができた。2週連続でレースができるのは嬉しいね。第1レースの結果を分析して、第2レースの戦略を調整する事が1つの鍵になると思う。
最初のフリー走行では、誰もが若干緊張した状態でセッションをスタートさせると思うけど、土曜日の予選にでもなれば全員がスピードを取り戻しているだろうね。
いつもサポートしてもらっているだけに、サーキットにファンがいないのは本当に残念だけど安全が最優先だ。彼らに良いショーを見せられるようにできる限りのことをするよ。
カルロス・サインツ取りこぼさない事が例年以上に重要
長い間レースから遠ざかっていたけど、ようやく復帰の時が来た。カートを始めて以来、こんなにも長くレースに出なかったのは今回が初めてだよ!昨年のポジティブな勢いを引き継ぐように、冬のテストでのMCL35の感触は良かったし、遂にレースができると思うと本当にワクワクするね。トラックから離れて過ごすのも楽しかったけど、今はもう気持ちを切り替えて2020年シーズンに完全に集中している。
レースの数は少なく、直接のライバルとの激しい競争が予想されるから、集中力を切らさない事が大切だ。今までに経験したことのないシナリオだし、最終的にどれだけの数のレースができるのかも分からないから、取りこぼしのないようにポイントを獲得していく事が決定的に重要だ。
これまでと同じように自分にできる最高レベルのパフォーマンスを発揮して、チームのために全力を尽くすつもりだ。フィジカル面は万全だしマシンに戻る準備はできている。FP1から全力でドライブするよ。
昨年のオーストリアGPではペナルティを受けて最後尾からスタートして、その後ポイント争いをするまでに挽回できたし、ここでのオーバーテイクのチャンスは幾らでもあると思っているけど、実戦から離れていた時間を考えると、自信満々に胸を張って予測する事は難しい。
同一サーキットでのダブルヘッダーは全員にとって未経験の挑戦だから、最大限の力を発揮できるように頑張るつもりだ。レースのスタートまでには、最高のポジションを目指して戦う準備ができていると思う。
昨年のグランプリでは2番グリッドのマックス・フェルスタッペンが後続を3秒引き離してトップチェッカーを受け、2015年よりF1に復帰したホンダに13年ぶりの勝利の美酒を授けた。2位はシャルル・ルクレール(フェラーリ)、3位はバルテリ・ボッタス(メルセデス)という結果だった。
2020年シーズンの開幕F1オーストリアGPは、日本時間7月3日(金)18時からのフリー走行1で幕を開ける。